集成材の接着耐久性

タイトル 集成材の接着耐久性
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 宮武 敦
藤井 毅
森屋 和美
林 知行
発行年度 1997
背景・ねらい 集成材は、ひき板を厚さ、長さ、幅方向に接着したもので、ひき板の強度等級区分と断面構成を適切に行うことで自由な形状寸法と高い強度性能を付与することができる。近年、これらの特徴を生かして、集成材は住宅や大規模建築をはじめ、橋等の屋外構造物(写真1)にも使用されるようになってきた。しかし、これらの性能は、ひき板の接着が完全であることを前提に保証されるもので、集成材をより厳しい環境条件下で使用するためには、長期間にわたる接着耐久性を確保しておく必要がある。本研究では、屋外環境下における集成材の木部劣化及び接着はく離の進行と接着力の低下について明らかにするとともに、防腐処理による耐久性向上効果を碓かめることを目的とする。
成果の内容・特徴 断面10cm×10cm、長さ約60cmの5プライ集成材を製造して20年間の屋外暴露試験に供した。製造に用いたラミナの樹種は、エゾマツ(E)、カラマツ(K)、の2種類、接着剤はレゾルシノール樹脂接着剤であった。また、防腐薬剤処理による接着耐久性向上の効果を評価するため、防腐薬剤を加圧注入したラミナを接着した集成材(F)と集成材に防腐薬剤を加圧注入したもの(A)を製造し、同様の試験を行った。防腐薬剤は、クレオソート油(CR)とCCA(CC)を用いた。

試験体は、森林総合研究所暴露試験地(つくば市)内に設置された高さ約60cmの鋼製暴露架台に、木口面を南北、接着積層面を東西方向に向け水平に設置した。任意の期間暴露された試験体を一条件につき2体採取し、接着はく離の測定や劣化状態の目視観察を行った後、構造用集成材の日本農林規格に定めるブロックせん断試験を行い、接着性能を評価した。

ブロックせん断強度の20年間の変化を、初期接着強度との比であるせん断強度残存率の変化として図1に示す。図中の実線は南向きに暴露された木口面近く(図2のⅠ)、点線は暴露面から内側約6cm付近(図2のⅡ)の残存率を示している。得られた結果を以下に示す。
  1. 接着強度の低下は、木口面から進行する木材の劣化の影響を最も強く受けたと考えられる。
  2. 集成材に防腐処理をしなかった場合、エゾマツでは10年ですべての試験体が全体的に腐朽したが、カラマツでは20年経過しても全体的な腐朽や劣化に至らない試験体もあった。
  3. 防腐処理は、集成材の接着耐久性向上に効果をもたらしたが、中でもクレオソート油集成材処理(ACR)の効果が大きく、木口面付近の強度低下にも防止効果が認められた。CCA集成材処理は、木口面付近の強度低下や干割れ発生の防止の点で、ACRよりやや劣った。
  4. クレオソート油ラミナ処理では初期接着力の低下(表1)、CCAラミナ処理では屋外暴露期間中に接着層全体での接着強度低下が観察されたことから、防腐薬剤ラミナ処理集成材では防腐薬剤が木材の接着に与える影響を十分検討する必要があると考えられる。

この結果、レゾルシノール系樹脂接着剤を用いた集成材の接着性能は、適切な木材保存処理を施すことにより、屋外の厳しい環境下でも20年間は保持されることが明らかとなった。
図表1 212453-1.jpg
図表2 212453-2.gif
図表3 212453-3.gif
図表4 212453-4.gif
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カテゴリ 薬剤

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