-スギの高速乾燥-(3)スギ人工乾燥材で強い構造物をつくる

タイトル -スギの高速乾燥-(3)スギ人工乾燥材で強い構造物をつくる
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 原田 真樹
軽部 正彦
林 知行
杉本 健一
三井 信宏
青井 秀樹
発行年度 2004
要約 乾燥が難しいと言われているスギですが、人工的に上手に乾燥すれば木造建築の接合部に用いられる材料として優れた強度性能を発揮することがわかりました。
背景・ねらい 「スギは乾燥が難しい」とよく言われます。これは、スギがその内部に非常に多くの水分を含んでおり、しかもそれが抜けにくく、乾燥によって内部割れなどが生じやすくなるためです。この乾燥の難しいスギを、高温で効率よく人工的に乾燥させる技術が開発されてきました。しかし一方では、高温で乾燥させると木材が傷んで強度性能が低下するのではないか、といった声も聞かれます。そこで、スギの人工乾燥材と乾燥させていないもの(生材)を用いて、いろいろな接合部と壁を作製し、その強度性能を比較しました。
成果の内容・特徴

人工乾燥材を組んでみると

乾燥程度の異なったスギ人工乾燥材2種類とスギ生材を用いてボルトの接合部と釘の接合部を作製し、強さおよび剛性(変形のしにくさを示す値)を比較しました。その結果、人工乾燥材を用いた接合部は、生材に比べて、強さは変わらず、変形もしにくいことがわかりました(図1)。
スギを柱として使う場合を想定し、割れのある人工乾燥材、割れていない人工乾燥材、生材の3種類を用い、梁として集成材を用いた金物接合部を作製して、強さおよび剛性を比較しました。その結果、人工乾燥材を柱とする接合部は、割れがあっても生材を柱とする接合部よりも強いが若干変形しやすくなることがわかりました(図2)。

さらに時間がたつと

土台と柱の接合部を、人工乾燥材および自然の状態で乾燥させた材料(天然乾燥材)で作製し、1年間風雨にさらした(屋外暴露試験)後に強さを測定しましたが、いずれの接合部についても用いた金物それぞれに対して定められている強さ以上の値を示しました。
また、乾燥していないスギの柱と梁を用いて壁を製作し、時間経過による強さと剛性の変化を調べました。その結果、壁の強さは時間が経過して材料が乾くのにともなって人工乾燥材の柱を用いた壁とほぼ同じ値まで増加しましたが、剛性は製作してから半年(図3、矢印)で急激に低下し、その後時間が経過して材料が乾燥しても低い値のままでした(図3)。
これらの結果から、スギ材でも乾燥条件を適切に設定すれば、接合部を構成する材料として生材以上の性能を発揮すること、そして、乾燥の不十分な材料を用いて壁を作ると、強さは時間とともに増加するものの材料がやせて組み立てガタが生じやすくなることがわかりました。
乾燥の難しいスギですが、上手に乾燥させることによってより優れた構造用材料となるのです。

本研究は、交付金プロジェクト「スギ材の革新的高速乾燥システムの開発」による成果です。
図表1 212632-1.gif
図表2 212632-2.gif
図表3 212632-3.gif
図表4 212632-4.png
図表5 212632-5.png
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カテゴリ 乾燥

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