| タイトル | 木材製品や紙製品の需要に影響する要因を探る |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
立花 敏 岡 裕泰 田村 和也 |
| 発行年度 | 2004 |
| 要約 | 本研究では、世界主要国の木材製品と紙製品の需要に影響する要因を探りました。その結果、ほとんどの製品において、製品価格がマイナスに、国内総生産がプラスに影響することがわかりました。 |
| 背景・ねらい | 私たちの生活は、地球上に存在する様々な資源を活用することにより成り立っています。例えば、木材製品や紙製品は森林資源を利用して作られ、私たちの生活に大きく役立っています。資源の無秩序な利用はその早期枯渇や地球環境悪化をもたらしますが、森林は適切に保全・活用すれば枯渇することのない資源であり、私たちの生活環境や地球環境の保全にも貢献します。 木材製品や紙製品に対する需要は、昔に比べると大きく増えていますが、それはどのような要因に影響されるのでしょうか。このことを考える手始めとして、世界主要国の木材製品や紙製品の需要に焦点を当て、価格、経済水準、及び人口の影響を探ってみました。例えば、製品の価格が上昇すれば購入しようとする人(需要者)は買う量を減らしますし、所得が高まればより製品を多く購入するでしょう。人口が増加すると製品の需要量が増えます。それらの要因が確かに影響するのか、どの程度影響すると考えられるのかを示します。このことにより、将来需要の予測や、それに応える資源造成や加工施設整備を計画的に行うことも可能となります。 |
| 成果の内容・特徴 | どうやって探るか対象は、製材、合板、ボード(削片板や木質繊維板)、紙の原料となるパルプ、及び紙とし、それぞれの需要に影響を与えると考えられる価格、所得、及び人口を取り上げて分析します。データには、1992~2000年の国連食糧農業機関(FAO)などの公表データを用い、主要な生産国と消費国として日本、アメリカ、ロシア、中国などの合計21カ国を対象に、時系列データと国データとを組み合わせたデータセットを作成し、パネル分析の方法を採用しました。分析の結果は需要量を国の総量と国民一人当たり量でとり、所得水準を国内総生産と国民一人当たりで考えます。分析結果の主なものを図にしました。この中では価格と国内総生産の総数で見た図1、一人当たりで見た図2の結果が比較的良好と判断できます。価格については、ボードやパルプ、紙に対する推定で、マイナス0.08~0.38の弾性値を得ました(図1、図2)。つまり、価格が1%高まったときに、その国の需要量が0.08~0.38%減少することを表します。紙を例にとると、総需要量は、価格が1%高まると0.38%減少し、国内総生産が1%高まると0.58%増加するという結果です(図1)。また、人口については、1%増加すると、合板、ボード、パルプ、紙が1.3~4.7%増加するという結果です(図3)。人口の1%増加に対して、需要が1%程度で増加すると期待されますので、はるかに大きい推定結果です。対象とする国が大小様々でかつ対象期間が9年間と短いため、推定が不安定になった可能性があります。 かつて行われた諸外国の関連研究に比べると、価格や所得の影響は小さめに推定されましたが、1990年代においても主要国の林産物需要に価格や所得が有意に影響したことや林産物によりその程度が異なることが分かりました。今後はさらに精緻な分析を進め、将来需要の予測へと結び付けていきます。 本研究は、交付金プロジェクト「森林・林業の資源的、社会経済的長期見通し手法の開発」による成果です。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| 図表7 | ![]() |
| 図表8 | ![]() |
| カテゴリ | 加工 |
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