タイトル | キクの花成に関連するDgLFY遺伝子の単離 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 花き研究所 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
Tuoping Li 久松完 仁木智哉 道園美弦 西島隆明 |
発行年度 | 2003 |
要約 | キクから単離されたDendranthema grandiflorum LEAFY (DgLFY)遺伝子は、アラビドプシス由来のLEAFY遺伝子同様に、形質転換後、アラビドプシスにおいて開花促進効果がある。本遺伝子は、キクの短日条件下における花成の過程で発現が促進される。 |
キーワード | キク、花成関連遺伝子 |
背景・ねらい | キクは日長反応性、幼若性、ロゼット性などが相互に関連した複雑な開花反応をもつ。遺伝子レベルでこれらの反応性を解析することは、従来からの生態分類をより精密化し、遺伝子レベルでの生態反応の制御に繋がる可能性をもっている。アラビドプシスにおいて花成を促進するLEAFY (LFY)は、転写因子をコードし、茎頂分裂組織における生殖器官の分化を制御する働きを持つことが明らかになっている。本研究ではキクより、LFYの相同遺伝子を単離し、その機能と発現特性を解析した。 |
成果の内容・特徴 | 1. キクから単離した、花成に関与する転写調節因子をコードする、Dendranthema grandiflorum LEAFY (DgLFY)遺伝子のORF領域は1239 bpで413アミノ酸をコードし、他の植物におけるLFY遺伝子と、アミノ酸レベルで55%以上の相同性が見られる(図1)。 2. DgLFY遺伝子をアラビドプシスに導入して過剰発現させると、開花促進効果が認められる(図2)。 3. キクが短日(12時間日長)下で花成が起こるのに伴い、DgLFYの発現量は上昇する。しかし、花成の起こらない長日(16時間日長)及び暗期中断(12時間日長+4時間暗期中断)では、DgLFYの発現は検出限界以下である(図3)。 4. 以上から、DgLFY遺伝子はキクの花芽分化と密接な関係を持つことが示唆される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. キクの花成誘導機構の分子生物学的解明に利用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | きく |