果実抽出液を用いた赤ワインの色の濃さの簡易予測法

タイトル 果実抽出液を用いた赤ワインの色の濃さの簡易予測法
担当機関 山梨果樹試
研究期間 1999~2003
研究担当者 三宅正則
宇土幸伸
近藤真理
別所英男
発行年度 2003
要約 赤ワイン用ブドウの果粒を40%エタノールに3日間浸漬した果汁抽出液の吸光度(530nm)を測定することで、醸造を行わなくてもワインの色の濃さを予測できる。
キーワード 赤ワイン、ブドウ、吸光度、色の濃さ
背景・ねらい
赤ワインにおいては、色の濃さは非常に重要な評価項目の1つである。しかし、原料ブドウのカラーチャートによる着色判定結果と醸造されるワインの色の濃さとは必ずしも合致しない。そこで、赤ワインの色の濃さの目安を設定し、果実の段階でワインの色の濃さを簡易に予測できる測定方法を開発する。
成果の内容・特徴
1.
赤ワインの色の濃さの目安を設定するために視覚審査を行った結果、パネラー(ワインメーカー35名、山梨大学1名、山梨県ワインセンター4名、山梨県果樹試験場22名、山梨県関係者5名、その他2名、合計69名)の8割以上が示す赤ワインとして許容できる限界の濃さ(下限)の吸光度値は0.20である。また、理想的な赤ワインの濃さとしては0.40以上の値である(図1)。
2.
図2に示す方法で果実から色素を40%エタノール(最終的なアルコール含有量が約14%程度でワインとほぼ同程度)で抽出し、この果汁と同じ原料から試験醸造を行った赤ワインとをそれぞれ10倍希釈すると、両者の530nmにおける吸光度値の間には、非常に高い相関(r2=0.816)が認められる(図3)。
3.
視覚審査より得られたワインの下限値と理想値を図3より得られた数式で果実から抽出した果汁の吸光度に置き換えると、果汁段階での下限値は0.19で、理想値は0.37以上となる。
4.
7品種を使用し3人のパネラー(山梨県果樹試験場)によって本方法を用い色素を抽出し、二元配置の分散分析を行ったところ、「人」による効果の差はない。
成果の活用面・留意点 1.
この方法を用いれば、醸造施設がない場合でも、赤ワイン用品種及び系統の導入に際し、その地域での栽培適応性を判定する際にワインの色の濃さを果汁段階で予測できる。
図表1 213093-1.jpg
図表2 213093-2.jpg
図表3 213093-3.jpg
カテゴリ カラー 品種 ぶどう ワイン

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