幼果期の気温の上昇はモモ「あかつき」果実の発育期間を短縮する

タイトル 幼果期の気温の上昇はモモ「あかつき」果実の発育期間を短縮する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2003~2007
研究担当者 伊東明子
羽山裕子
岡田眞治(熊本農研)
樫村芳記
岩谷章生(熊本農研)
阪本大輔
中村ゆり
藤丸治(熊本農研)
発行年度 2007
要約  モモ「あかつき」において、幼果期の気温の上昇は硬核開始日までの日数を短縮させ、果実発育期間を短縮する。
キーワード 温暖化、果実発育、気温、モモ
背景・ねらい
 果樹の生育は気温によって大きく左右されることから、気候温暖化等による気温の上昇は果樹栽培に大きな影響を及ぼすものと危惧されている。しかしながら、気温の上昇が果実の発育期間に及ぼす影響について詳細は明らかではない。そこで、果実発育期間中の気温が約2℃異なる熊本(熊本県宇城市)と茨城(茨城県つくば市)に栽植されたモモ「あかつき」について、満開日、収穫盛日および果実発育過程における硬核指数の変化を調査し、気温との関係を解析する。
成果の内容・特徴 1.調査した2地域3か年における果実発育期間中の気象条件は様々である(表1)が、満開から硬核開始日(硬核指数が1となる日)までの日数は、幼果期(満開後6週間)の平均気温が高い順番(2005年熊本、2003年熊本、2004年熊本、2003年茨城、2004年茨城、2005年茨城)に短い(図1A)。
2.硬核期間(硬核指数が1から4まで変化するのに要する期間)は、調査した2地域3か年で大きな違いはなく、気温による影響はほとんど認められない(図1AB)。
3.これらの結果から、モモ果実発育期間の気温の上昇は、満開から硬核開始日までの期間を短縮させることによって果実発育期間を短縮する(図2)。

成果の活用面・留意点
1.硬核開始日を特定することによって収穫盛日を予測する等、収穫予測技術開発の基礎的知見となる。
2.硬核開始日から収穫期までの期間は品種によって異なることから、「あかつき」以外の品種については別途検討する必要がある。
3.調査に使用する樹の栽培条件(摘果、袋掛け等)は、可能な限り揃えている。
図表1 213213-1.gif
図表2 213213-2.gif
図表3 213213-3.gif
カテゴリ 栽培条件 収穫予測 品種 もも

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