リードカナリーグラス草地利用と母子分離放牧による黒毛和種飼養技術

タイトル リードカナリーグラス草地利用と母子分離放牧による黒毛和種飼養技術
担当機関 (独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 1998~2002
研究担当者 小川恭男
須藤賢司
渡辺也恭
梅村和弘
落合一彦
発行年度 2002
要約 母牛だけが通過し子牛が通過しようとしない母子分離ゲートを用いて、子牛の高増体と疾病の早期発見ができる。また、母牛の過肥防止にはリードカナリーグラス(RCG)草地の利用が有効である。
キーワード 飼育管理、肉用牛、母子分離放牧、疾病早期発見、リードカナリーグラス
背景・ねらい 黒毛和種繁殖経営向上のためには、子牛の市場性や母牛の繁殖率などの向上が必要である。そこで、黒毛和種繁殖牛群を対象として、子牛の高増体・疾病予防、ならびに母牛の過肥防止のために、当研究室で開発した親だけが通過し子牛が通過しようとしない母子分離ゲートと、草量が確保しやすく粗繊維含量の高いリードカナリーグラス(RCG)草地利用を核とした母子分離放牧システムを構築した。さらに、黒毛和種飼養農家で本ゲートの適用性について実証試験を行った。
成果の内容・特徴
  1. 母牛分離ゲートは、コンパネ・スプリング・蝶番を用いて製作できる(図1)。母牛には反対側が見える小型ゲートに改善し電牧と組合せると、ゲートの製作と母牛の馴致が容易となる。
  2. 本ゲートを利用した哺乳方式が子牛の増体に及ぼす影響を見ると、自由哺乳した子牛の増体は1日1-2回の制限哺乳を上回る(表1)。このことから、濃厚飼料を給与(最大1600g/頭)する群管理条件下では、自由哺乳が子牛の増体には望ましい。
  3. 実証農家では毎年数頭の子牛が疾病(主に消化器病)により斃死していたが、本ゲートによる母子分離放牧技術を導入した2001年以降、斃死頭数が激減した。これは、子牛が目の届く範囲にいつも留まっていることから、子牛の疾病を発見しやすく早期治療できたことによる(表2)。
  4. RCG草地を持続的に利用するためには、7月下旬まで休牧する待期放牧利用法が輪換放牧利用法より優れている。また、待期区ではシロクローバが少ないので低栄養となり繁殖牛の過肥防止に有利である(表3)。待期区における供試牛(4頭)の体重はほぼ維持された(入牧時平均455kg、退牧時平均464kg)。
成果の活用面・留意点
  1. 子牛の飼養管理、特に疾病の早期発見に、また母牛の過肥防止に有効である。
  2. 母牛をゲートに馴致する場合、子牛もゲートが通過できると思わないよう注意する。多様な経歴の牛が集まる公共牧場では馴致方法の検討が必要である。
図表1 213319-1.gif
図表2 213319-2.gif
図表3 213319-3.gif
図表4 213319-4.gif
カテゴリ 経営管理 飼育技術 肉牛 繁殖性改善 放牧技術

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