リンドウの育苗技術と施肥法の改善および半促成栽培の導入効果

タイトル リンドウの育苗技術と施肥法の改善および半促成栽培の導入効果
担当機関
研究期間 2001~2005
研究担当者 加藤俊介
兼平 修
高宮泰宏
高濱雅幹
生方雅男
田丸 誠
桃野 寛
藤倉潤治
藤田寿雄
堀田治邦
発行年度 2005
要約 リンドウにおいて、発芽条件、育苗培土および灌水条件について育苗指針を示す。採花後の分施を基肥にふりかえ、採花期が遅い品種では6月に分施を増やす施肥法が有効である。また、半促成栽培は生育・開花および収量特性から経済的に有利である。
キーワード リンドウ、育苗、施肥、半促成栽培
背景・ねらい
北海道におけるリンドウ産地での生産安定化を目指すため、地域に適合した高品質栽培技術の確立を図る。

成果の内容・特徴 1.播種前に0℃、10日以上吸水処理を行い、播種後覆土をせずに管理することにより発芽率が向上する。さらに吸水時の50ppm ジベレリン処理により発芽が促進する。
2.育苗にはpH5.0~5.4、固相率9.6%、有効水分保持量28.8ml/100mlに準じた特性を持つ培土が適当である。
3.育苗時の灌水は、発芽揃い後20日までを目安に底面吸水から頭上灌水に変更することにより苗の欠株率を低く抑えたまま定植時の苗質が向上する(表1)。
4.5~6月における窒素吸収量は10kg/10a以上で(図1)、慣行の基肥窒素量5.2kg/10aでは不十分であり、慣行の採花後の分施窒素量5.2kg/10aを基肥にふりかえるのが適当である。
5.「スカイブルーしなの2号」は「スカイブルーながの」より採花期が遅く、7月以降窒素吸収量の増加が鈍化し窒素含有率も低く推移する(図1)。採花期が遅い品種では、6月の分施を増やすことにより、切り花品質向上がみられる。
6.産地の株枯れ症状は品種間差、圃場間差が見られ、定植1年目秋~2年目春に多発する。多発圃場では未発生圃場と比較して乾燥しやすい傾向や排水不良がみられる。
7.2月上旬よりハウス被覆を開始する半促成栽培は、露地栽培に比べ採花期が20~40日早まる。切り花品質と採花本数は露地栽培と同等以上で作期拡大に有効である(表2)。半促成栽培時期の切り花単価は高く、定植3年目以降の所得は露地栽培より高くなる。
8.以上の結果から慣行技術の改善および新たな栽培技術を組み入れたリンドウの栽培指針を示す(図2)。

成果の活用面・留意点
1.半促成栽培導入の際の参考とする。
2.ジベレリン処理の登録使用回数は発芽前もしくは定植直前の1回である。
平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「道央地域におけるりんどうの栽培指針」(普及推進)
図表1 213615-1.jpg
図表2 213615-2.jpg
カテゴリ 育苗 乾燥 高品質栽培技術 栽培技術 施肥 播種 品種 りんどう

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