グリーンアスパラガス露地栽培の品種特性および多収維持管理法

タイトル グリーンアスパラガス露地栽培の品種特性および多収維持管理法
担当機関 園芸環境科
研究期間 1997~2005
研究担当者 植野玲一郎
地子 立
中村隆一
平井 剛
目黒孝司
発行年度 2005
要約 露地栽培における規格内収量はオランダ育成品種(「ガインリム」等)がアメリカ育成品種(「ウェルカム」等)よりも優る。5~9年生株の収量性を安定させる2~4年生株の収穫日数と倒伏防止処理の効果を明らかにした。
キーワード アスパラガス、露地栽培、品種比較、収穫日数、倒伏防止処理
背景・ねらい
近年、北海道の露地栽培におけるグリーンアスパラガスの生産性は低下しており、産地では収量性の回復が望まれている。そこで、露地栽培における多収安定生産のための品種選定、栽培法の改善を目標に、品種特性、2~4年生株の収穫日数、夏秋期の倒伏防止処理に関する試験を実施する。
成果の内容・特徴 1.3~9年生株の品種特性を総合すると、規格内収量に関してはオランダ育成品種(「ガインリム」、「ヴェンリム」)の方がアメリカ育成品種(「ウェルカム」、「バイトル」、「グリーンタワー」、「シャワー」)よりも多収を示す傾向にあり、「ガインリム」が最も多収である。外観品質では、アメリカ育成品種の方が頭部のしまりが良好でアントシアニン着色も少ない。茎色はオランダ育成品種が濃い。9年生株の外観品質調査結果を用いて「ガインリム」と「ウェルカム」の市販価格で販売可能な収量(上物収量)を試算すると、「ガインリム」の方が高くなるが(図1)、頭部のしまりに対する基準によって試算結果は変動するため、頭部のしまりの規格基準が高い場合は「ウェルカム」等を選択肢に入れる必要がある。
2.5年生株以降の収量性を安定させるための2~4年生株に対する収穫日数は、「ガインリム」では2年生株で14日(約2週間)程度、3年生株で31日(約4週間)程度、4年生株で40~50日程度、「ウェルカム」では2年生株で0日、3年生株で17日(約2週間)程度、4年生株で40~50日程度を目安とする(表2)。上記日数と併せ、収穫期間中の一本重の推移も勘案し、2年生株で収量が100kg/10aを超えた場合や、平均一本重が8gを下回った場合には、上記日数に満たなくても収穫を打ち切る。
3.定植当年から斑点病の蔓延を抑制し(表3)、受光体勢の悪化を防ぐためにはフラワーネット等を利用した夏秋期の倒伏防止処理が効果的である。

成果の活用面・留意点
1.露地栽培における品種選択時の資料とする。
2.品種特性は定植3~9年目(3~9年生株)の評価。
3.倒伏防止に関する試験以外は全て夏秋期にフラワーネットによる倒伏防止処理を行った。
平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題および区分
「グリーンアスパラガス露地栽培の品種特性および多収維持管理法」(普及推進)
図表1 213619-1.jpg
図表2 213619-2.jpg
図表3 213619-3.jpg
図表4 213619-4.jpg
カテゴリ アスパラガス 栽培技術 品種

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