タイトル |
メロン・テクスチャーの食味への影響と評価法 |
担当機関 |
道原環セ |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
山口敦子(天使大)
小宮山誠一
平井 剛
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発行年度 |
2007 |
要約 |
メロンの食味においてテクスチャーは重要であり、甘味評価にも影響する。硬さは果肉圧縮時の最大応力、多汁性は果肉圧縮時の搾汁量、なめらかさは果肉貫入時の微小ピーク数により客観的評価ができる。
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キーワード |
メロン、テクスチャー、官能検査、硬さ、多汁性、なめらかさ
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背景・ねらい |
高品質なメロン供給を目指す生産技術開発、品種育成および流通・販売場面での活用のため、メロンの食味におけるテクスチャー(肉質)の重要性を明らかにするとともに、官能検査と整合性の高い物性測定機器によるテクスチャー評価法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 硬さと糖度が甘味評価に及ぼす影響を示す(表1)。糖度がほぼ同等の場合、軟らかいものの方が、甘味評価は高く、食味総合評価も高い(表1、上段)。また、糖度の差が2%程度の場合、糖度が低くてもより軟らかい試料の方が甘味・食味総合ともに高い(表1、下段)。官能による甘味・食味総合評価は、糖度差が2%程度であればテクスチャーが大きな影響を及ぼす。
- テクスチャーアナライザー(直径20mm円筒型プローブ)により果肉を圧縮時に測定される応力の最大値「硬さ測定値」と官能による「硬さ評価値」との間には有意な正の相関が認められ(表2)、「硬さ測定値」により官能検査による硬さを評価できる。
- 果肉試料(直径20mm、高さ20mmのディスク)にテクスチャーアナライザー(直径75mmプレート型プローブ)で荷重をかけて得られた「搾汁量」と官能による「多汁性評価値」との間には有意な正の相関が認められ(表2)、「搾汁量」で多汁性を評価できる。
- テクスチャーアナライザー(直径2mm円筒型プローブ)による果肉の貫入時に得られた「微小ピーク数」(ピーク検出閾値0.10N)と官能による「なめらかさ評価値」との間に有意な負の相関が認められ(表2)、「微小ピーク数」でなめらかさを評価できる。
- 官能によるテクスチャー総合評価値が「普通(=0)」以上になる測定値=指標値で示すと、硬さ(圧縮時最大値)が15~50N、多汁性(搾汁量)が0.2~1.5g、なめらかさ(微小ピーク数)が9.0個未満である(図1、表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 高品質メロンの生産・流通技術開発および品種育成における品質評価技術として活用する。
- 選果、流通、販売に対してテクスチャーの重要性が提言でき、食べ頃表示などの品質情報の提供などを通じて、高品質メロンの供給が可能となる。
- 官能検査に用いた試料は室温条件で供試した。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「メロンテクスチャーの食味に対する影響と評価法」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
評価法
品種
メロン
良食味
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