虎豆の窒素施肥および早期収穫技術

タイトル 虎豆の窒素施肥および早期収穫技術
担当機関 作物研究部
研究期間 2005~2007
研究担当者 唐 星児
黒崎英樹
林 哲央
中村隆一
西田忠志
発行年度 2007
要約
    虎豆は開花期以降に窒素吸収量が著しく増加し、開花盛期の窒素追肥により増収する。また、べたがけ被覆により生育が早まり、早期播種・早期根切を組み合わせることで早期の収穫と供給が可能である。
キーワード
    虎豆、開花盛期、窒素追肥、べたがけ被覆、早期根切、早期収穫
背景・ねらい
    虎豆の栽培面積が近年やや減少傾向にあること、農家間の収量差が大きいこと等から、生産量増加や低収ほ場の底上げのための技術開発が求められている。また、早期出荷による消費拡大のために収穫をおよそ10日早める栽培法が実需・流通サイドから強く求められている。そこで、収量向上に最も効果的な窒素施肥体系を明らかにするとともに、早期供給が可能な栽培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 虎豆の収量は、作土の熱水抽出性窒素含量と有意な正の相関関係が認められることから、増収には窒素肥沃度を高める土壌管理が有効である。
  2. 虎豆の窒素吸収量は開花期以降で著しく増加し、根切前では施肥量を上回る。収量は窒素施肥量が多いとき、また総量が同じ場合は開花盛期(7月下旬)追肥のときに多くなる傾向にある。窒素施肥は基肥4+開花盛期8kg/10aを基本とするが、作土の熱水抽出性窒素含量が5mg/100g以上の場合は、開花盛期追肥量を4kg/10aを目安に減ずるのが望ましい。また、緩効性肥料LPS40で追肥を代替した場合は手竹期(6月下旬)追肥と同等以上の増収効果がある(表1)。
  3. 根切時期を熟莢率30%とすると、同80%と同等の収量および粒大が得られる(表2)。
  4. 早期播種では標準播種と比べて出芽期は5~10日、成熟期は3~9日早まり、べたがけ被覆と組み合わせるとさらに出芽および熟莢率30%の日が4日早まる。早期播種では標準播種より減収する場合もあるが、べたがけ被覆により収量は標準播種(べたがけなし)を6~7%上回る(表3)。
  5. 早期播種+べたがけ被覆における窒素追肥による増収効果は、標準播種と同様に開花盛期追肥で最も高く、開花盛期の追肥量の増加によりその効果はさらに高まる。
  6. 以上をまとめ、開花盛期の窒素追肥による虎豆の増収技術と早期播種・べたがけ被覆・早期根切による早期収穫体系を示す(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験結果は北見地方で得られたものであるが、窒素施肥については他地域でも適用できる。
  2. リン酸、加里の施用量は施肥標準に従う。
  3. べたがけ被覆は雑草の生育を促進することがあるので、雑草管理には十分注意する。
  4. 早期播種+べたがけ被覆栽培では、根切後の温度が比較的高いので、雨害による品質低下を避けるため、茎および莢水分の低下後は速やかにニオ積みを行う。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「虎豆の窒素施肥改善および早期収穫体系による安定生産技術」(普及推進)
図表1 213923-1.jpg
図表2 213923-2.jpg
図表3 213923-3.jpg
図表4 213923-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 栽培技術 雑草 収量向上 出荷調整 消費拡大 施肥 播種

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