鉱質土草地の更新時から維持管理までの家畜ふん尿主体施肥管理法の実証

タイトル 鉱質土草地の更新時から維持管理までの家畜ふん尿主体施肥管理法の実証
担当機関 道立上川農試
研究期間 2003~2007
研究担当者 大塚省吾
発行年度 2007
要約
    鉱質土におけるイネ科単播およびイネ科・マメ科混播草地において、堆肥主体施肥管理を更新時から維持管理まで連続して実施する際には、土壌の交換性カリウムが土壌診断基準値を超える可能性がある。そのため、更新5年目に土壌診断を行い、減肥対応することにより、環境保全と生産性が両立した牧草生産を行える。
キーワード
    堆肥、草地更新、家畜ふん尿主体施肥管理
背景・ねらい
    堆肥の利用技術は、「家畜ふん尿主体施肥管理法」の一環として草地更新時と維持管理時の各場面において検討されている。本試験は、主要なイネ科牧草単播草地とイネ科・マメ科混播草地において、これら個別技術の連続した実施が、収量・草種構成、牧草・土壌の養分動態、さらに硝酸溶脱へ与える影響を検証した。
成果の内容・特徴
  1. オーチャードグラス(OG)、チモシー(TY)、ペレニアルライグラス(PR)の各イネ科単播草地において、更新時6t/10a、更新3年目以降1.5~3.8t/10a堆肥を施用し、更新2年目以降に減肥対応を行う併用区と、更新時から化学肥料のみで施肥標準量の施肥管理を行う標準区を設け、更新2年目の収量を比較すると、各草地の両処理区とも約900~1000kg/10aの乾物収量であり、養分吸収量も同程度である。番草間で比較すると、TYの併用区は1番草のN吸収量、乾物収量が標準区よりやや少ない。この傾向は、N減肥を多く行う土壌ほど、より明確に差が見られる。
  2. 併用区の更新2~5年目におけるイネ科単播草地の収量(図1)、シロクローバまたはアルファルファを混播したマメ科混播草地の収量(更新2~5年平均約990kg/10a)、および各草地の主体草種割合の推移(データ非表示)は、標準区と同程度に維持される。一方、養分吸収量の内、更新4~5年目のカリウム吸収量は併用区で多い(図2)。
  3. 更新5年目は併用区の交換性カリウム(図3)、有効態リン酸が高く、土壌診断による減肥対応によりカリウム供給量を控え、飼料品質〔K/(Ca+Mg)当量比〕が2.2を越えないように調整する必要がある。
  4. 併用区における越冬前0~5cmの土壌無機態N含量は、更新初年目で1.2~2.9mg/100g、更新5年目で0.2~1.0mg/100gとなり、更新初年目で高い値を示す。ただし、更新初年目の晩秋から早春における土壌溶液中硝酸態N濃度の平均は、0.3~3.0mg/Lであり、環境基準の10mg/Lを下回っている。一方、裸地では13.3mg/Lと環境基準を上回り、越冬前に裸地を生じた場合に環境負荷を生じる危険が高いと判断した。
  5. 播種時期と越冬前冠部被度の関係では、8月中旬播種は冠部被度が高く、土壌無機態N含量が少ない。それ以降の播種時期は冠部被度が低く、裸地と等しい土壌無機態N含量である(図4)。よって、越冬前までに植生を確保し、土層内の無機態N量を少なくするための播種時期は8月末までが望ましい。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は草地更新時から維持管理に至る一貫した家畜ふん尿主体施肥管理法を普及する際の参考になる。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「鉱質土草地における更新時から維持管理までの家畜ふん尿主体施肥管理法の実証」
(指導参考)
図表1 213931-1.jpg
図表2 213931-2.jpg
図表3 213931-3.jpg
図表4 213931-4.jpg
カテゴリ 肥料 アルファルファ 施肥 土壌診断 播種

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