全量基肥施肥法における移植時期の遅れが収量・玄米品質に与える影響

タイトル 全量基肥施肥法における移植時期の遅れが収量・玄米品質に与える影響
担当機関 富山県農業技術センター
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 5月上旬移植に限定されているコシヒカリの全量基肥施肥法を5月中・下旬移植で同様に用いた場合、土壌由来窒素の吸収量が増加して草丈が伸長し、倒伏程度が大きくなる。また、被覆尿素からの窒素溶出が水稲の生育に対して遅れることから、玄米窒素濃度が高くなる。
背景・ねらい 現行の全量基肥施肥用の肥料は、5月上旬の移植を前提に配合されているが、大規模経営農家等では、移植作業が5月下旬まで行われており、全量基肥施肥法における作期の拡大が求められている。そこで、砂壌質乾田において全量基肥施肥法を5月中旬・下旬の移植に用いた場合の肥効特性について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 移植期の遅延によるコシヒカリの生育ステージの遅れは、出穂期、成熟期ともに移植期の差の1/2程度である。(表1)
  2. 5月上旬移植における全量基肥施肥法では、速効性肥料とLP40およびLPSS100を窒素成分比率で3:2:5とし、窒素総量で10kg/10a施用(全量区)するが、5月中旬以降の移植において同様な施肥を行うと、草丈が長くなり、倒伏程度が大きくなる。さらに、玄米窒素濃度も高くなる傾向がみられる。また、5月30日移植では籾数の不足により減収し、大粒割合も著しく低下する。分施区(総窒素施用量11kg/10a)においても5月15日移植では、4月30日移植よりも玄米品質が低下する傾向がみられる(表2)。
  3. 5月中旬以降の移植では、土壌由来窒素の吸収量が5月上旬移植よりも多くなる(図1)。
  4. LPSS100からの窒素溶出は、生育ステージでみると5月中旬以降の移植では相対的に遅れており、玄米窒素濃度を高める要因となっている(図2)。
    以上より、5月中旬以降の移植での全量基肥施肥においては、収量や玄米品質の目標レベルを設定した上で、土壌由来窒素の吸収を適切に評価し、使用する肥料の種類、配合比率および総窒素施用量について改善する必要がある。
成果の活用面・留意点
  1. 5月中旬以降の移植で全量基肥施肥法を用いる上での基礎資料となる。
図表1 214202-1.gif
図表2 214202-2.gif
図表3 214202-3.gif
図表4 214202-4.gif
カテゴリ 肥料 施肥 大規模経営

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