タイトル |
ナバナの種子低温処理による年内収穫技術 |
担当機関 |
福井県園芸試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ナバナの催芽種子を15日間低温処理することにより抽苔が促進され、9月上旬播種で無処理より約40日早い10月下旬から収穫可能となり、年内収量も大幅に増加する。種子の催芽、低温処理は高吸水性高分子化合物を用いることにより胚軸の伸長した種子を傷つけずに播種できる。
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背景・ねらい |
ナバナは、稲作後の水田を有効に利用できる有用な露地越冬野菜である。しかし、現在の主力品種では収穫始めが12月上旬からとなり、収穫盛期を迎える前に降雪による物理的被害をうける。そこで、降雪の少ない年内を中心に収穫が可能な作型を開発するため、催芽種子の低温処理による抽苔促進効果および低温処理方法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 低温処理中に胚軸の伸長した種子を傷つけず、省力的に播種するため、催芽-低温処理-播種を高吸水性高分子化合物(イゲタゲル、以下ゲル)中で行う。
- 催芽時のゲルの厚さは発芽率の最も高い0.2cmとする(図1)催芽は20℃・24時間行う。
- 催芽後の種子は直ちに低温処理を行う。低温処理は2.5℃で、15日間とする。このときもゲルの厚さは0.2cmとする(表1)、(図2)、(図3)。
- 種子量はゲル1mL当たり66粒まで入れることが可能であり、1a(444株栽植・3粒播き)播種する場合1332粒/ゲル20mLとなる。
- 低温処理後の種子は、適宜ゲルを追加して播種する。
- 15日間低温処理することにより、処理1ヶ月後の生育は無処理のものとほとんど差が認められないが、抽苔時の生育は小さくなる(表1)。
- 15日間低温処理することにより、9月10日に播種しても10月下旬から収穫可能となり、年内までにはa当たり約51kgの収量が得られる。また、10~12月の平均1本花蕾重は
12.6g、平均花蕾茎の直径は10.3mmとなる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 降雪による被害を軽減でき、生産安定が図られる。
- 慣行より10日程度早い播種となるため、病害虫の発生に留意する。
- 晩生品種である花娘を用いた。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
害虫
水田
なばな
播種
品種
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