タイトル |
日本なし「幸水」の施設作型における燃料消費量の算出法と効率的な温度管理への応用 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
日本なし「幸水」の施設作型において施設内外温度差と燃料消費量の関係から暖房経費の予測をすることで、一定の収穫期における最も効率的な温度管理法(加温開始期、温度設定)の選択が可能となる。
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背景・ねらい |
発育速度モデル手法により、日本なし「幸水」の発育と温度との関係が解明され、施設栽培において加温開始期や温度設定の違いにより開花期や成熟期がどのように変化するかを予測することが可能となった。一方、施設栽培において作型を検討する際、燃料消費量を予測することは経営上極めて重要である。そこで、暖房経費の算出に実用的な手法を検討し、エネルギー消費の面から最も効率的な加温開始期や温度設定等の施設作型の選択を可能にした。
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成果の内容・特徴 |
- Heating degree hour(暖房期間中の毎正時ごとの内外温度差の積算値、以下DHという)と燃料消費量の関係から、実験的に施設の暖房負荷係数を求め、作型における燃料消費量を算出することが暖房経費の予測に実用的な手法である(図1)。
燃料消費量の算出法 ①施設の暖房負荷係数を求める UA=VA/DHA UA:施設(A)の暖房負荷係数 VA、DHA:施設(A)における一定期間の燃料消費量、DH ②ある作型の燃料消費量を予測する V(x,y)=UA×DH(x,y) V(x,y)、DH(x,y):施設(A)のある暖房方法(x:加温開始期、y:設定温度)の燃料消費量、DH
- 同じ収穫期でも暖房方法(加温開始時期、設定温度)によって、燃料消費量(DH)は異なり、エネルギー消費の面からは設定温度20℃が最も効率的である(図2)。
- ①並びに②の関係から作型における燃料費を算出でき、施設化や作型のコスト計算ができる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 施設栽培における燃料経費の目安になり、施設の導入、作型の検討に際しての判断材料として利用できる。
- 作型の選択に際しては燃料費の他に施設化経費、施設化に伴う労働条件の変化、果実収量・品質、収穫期における販売単価を考慮しながら検討する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
温度管理
経営管理
コスト
施設栽培
日本なし
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