キヌヒカリの湛水土壌中直播栽培における低温下の出芽・苗立安定法とその生育特性

タイトル キヌヒカリの湛水土壌中直播栽培における低温下の出芽・苗立安定法とその生育特性
担当機関 茨城県農業総合センター
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 キヌヒカリの湛水土壌中直播における低温下の苗立安定法は、苗立率 80%を目標とした場合、0.1ppmSABA種子処理と播種後の落水処理を組み合わせることにより11~12℃から播種でき、安定多収栽培が得られる。
背景・ねらい 大規模水稲生産におけるコスト低減として期待される湛水土壌中直播の低温下における出芽・苗立の安定法を確立し、作業の競合回避および作期分散に寄与するとともに安定多収栽培を図る。
成果の内容・特徴
  1. 苗立率は3月下旬播種では30%以下と低くなったが、4月10日播種以降では70%以上得られる。出芽までの所要日数は、播種期が早いほど長く、4月10日以降では5~11日と短くなる。出芽までの有効積算気温を12℃以上とした場合、いずれの播種期もほぼ15℃である(表1)。
  2. 苗立率と播種後5日間の積算気温との関係について折れ線モデル(大塚雍雄、1978)をあてはめたところ、苗立率70%はほぼ57℃になると得られ、60℃以上になると苗立率80%で横ばいとなる(図1)。
  3. SABA処理による苗質は無処理と比べ、草丈がやや長く、地上部乾物重も重く、充実度のまさる傾向を示す。
  4. 分げつの発生は、早播ほど旺盛となる。最高分げつ期と穂首分化期の関係は、従来の播種期である5月10日播種では最高分げつ期と穂首分化期が重なるのに対し、4月20日までの早播では穂首分化期が最高分げつ期の後になる(図2)。
  5. 4月10日~5月1日播種の出穂期は、従来の5月10日播種より10~14日早まり、成熟期も4月10日~20日播種でほぼ稚苗並となる。玄米収量は、出芽・苗立が安定すれば早播ほど多収となり、稚苗を上回る(表2)。
    以上のことから、苗立率80%を目標とした場合、0.1ppmSABA種子処理と播種後の落水処理を組み合わせることにより11~12℃から播種でき、茨城県北部では4月第4半旬、南部では4月第2半旬から播種でき、安定多収栽培が得られる。
成果の活用面・留意点
  1. 湛水土壌中直播の播種期が前進できるため、直播と移植栽培を組み合わせた場合、移植前に播種でき、作業の競合および作期分散が図れる。
  2. SABAは現在登録申請中である。
  3. 比重1.13で選別した充実のよい種子を用いる。
  4. 品種はキヌヒカリを用いた、散播による試験結果である。
図表1 214763-1.gif
図表2 214763-2.gif
図表3 214763-3.gif
図表4 214763-4.gif
カテゴリ 直播栽培 水稲 低コスト 播種 品種

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