コンニャク根腐病のライムギ混作による防除

タイトル コンニャク根腐病のライムギ混作による防除
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1992~1995
研究担当者 倉井耕一
木村 守
遠山明子
発行年度 1995
要約 ライムギ混作によるコンニャク根腐病の防除は土壌燻蒸の有無に関わらず効果が高い。ライムギはおおむね8月中旬に枯死すると、根腐病防除効果が安定し、球茎肥大抑制程度が小さい。
キーワード ライムギ混作、コンニャク根腐病、防除
背景・ねらい コンニャクの根腐病は土壌伝染性の強い病害であるため、土壌燻蒸が主要な対策となっているが、連作圃場においては土壌燻蒸の効果が低下しており、汚染程度の高い圃場では高い発病を招くことがある。コンニャクの混作作物の一つであるライムギには根腐病軽減効果が認められたが、今回はライムギ混作を利用した根腐病防除法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. ライムギを混作すると、併用する防除薬剤の種類に関係なく根腐病防除効果が高い。土壌燻蒸をしない場合は、根腐病は発生が早くやや多い傾向で球茎肥大倍率も低いが、慣行(稲藁被覆)栽培に比較すると効果は高い(表1)。
  2. 根腐病防除効果はライムギの枯死時期によって異なり、早く枯死した場合は効果が低く遅い場合は高いが、効果が安定するのは8月中旬以降と推定される(図1)。
  3. ライムギにはコンニャク球茎の肥大抑制作用が見られるが、おおむね8月中旬に枯死すれば抑制程度は小さい(表2)。
  4. ライムギの枯死時期は種球の大きさ(コンニャクの被覆度)や、天候によって異なり種球が大きいほど、また高温乾燥な年ほど早いが、天候の影響のほうが大きい(図1、表3)。
  5. 以上のことから、ライムギの混作によってコンニャク根腐病を防止し、収量を安定させるのはおおむね8月中旬を目安にライムギを枯死させるのが良い。
成果の活用面・留意点
  1. ライムギが早く枯死するような条件では効果が落ちる。枯死が遅れるような場合はコンニャクに影響の少ない除草剤を用いて適期にライムギを枯らす。
  2. ライムギの発芽率を高めるため、ライムギが発芽してから土壌処理剤を用いる。
  3. ライムギは座止現象を利用するため、秋播性の高い品種を選ぶ。
  4. コンニャクは低年生では初期生育が抑制されるので、2年生以上の比較的大きな種球に使用するのが望ましい。
  5. 立毛中に根腐病が発生しなくても球茎に病班が残ることがあるので、汚染圃場では種球生産に使わない。
図表1 214764-1.gif
図表2 214764-2.gif
図表3 214764-3.gif
図表4 214764-4.gif
図表5 214764-5.png
図表6 214764-6.png
図表7 214764-7.png
図表8 214764-8.png
カテゴリ 病害虫 乾燥 こんにゃく 除草剤 土壌処理 根腐病 品種 防除 薬剤 ライ麦

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる