タイトル |
養液栽培トマトの低段密植による周年生産システムにおける不織布培地 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
水耕トマトの低段密植栽培において、従来から利用してきたロックウールスラブに代わり得る培地は不織布と防根透水シートを組み合わせたものがよく、トマトの生育、収量、品質がロックウールスラブに比べて優れるだけでなく、ハンドリング及び廃棄処理も簡単で、低コスト化も図れる。
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背景・ねらい |
養液栽培トマトにおいて、雇用労力の導入を前提とした大規模経営を目指すため、低段密植(2段摘心、889株/a)による周年生産システム(年4回転)の研究開発を行っている。この一環として、従来から利用してきたロックウールスラブが抱えている問題点、すなわち取扱い時の粉塵の発生、廃棄処理の難しさ、コスト等の解決に向けて、新しい培地の検討を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 各培地における定植床の模式図を図1に示した。不織布をロックウールスラブと比較すると、体積当たりの保水量は最も多く、1/6勾配で静置した時の保水性はほぼ同等であった(図2、図3)。
- ロックウールスラブ培地に定植した場合、根が活着するまでの1週間程度は萎れ防止のための補助潅水が必要であるのに対し、不織布と防根透水シート培地は根部への直接給水と底面給水の折衷方式であるため、定植後の萎れがなく、管理が省力化される。後片付けもマット状の根をはがすだけで切り離す手間が要らず、省力的である。
- 不織布と防根透水シート培地は、ロックウールスラブ培地に比べて茎葉の生育が良く、収量も優る。さらに、障害果の減少並びに果実糖度の向上等の面で、高品質果生産の可能性が認められる(表1)。
- 不織布と防根透水シート培地は粉塵が出ず、焼却処分できる。また、栽培ベッドの長さ1m当たりコストは、ロックウールスラブ培地の574円に対し319円(約19万円/10a)であり、44.5%の低コスト化が図れる。
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成果の活用面・留意点 |
培養液管理、栽植密度等の栽培技術は従来と同じで、特に変える必要はない。耐用年数については、3年を経過しても特に問題はなく、現在も継続中である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
栽培技術
障害果
省力化
大規模経営
低コスト
トマト
養液栽培
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