組織培養を利用した桑遺伝資源の保存モデル

タイトル 組織培養を利用した桑遺伝資源の保存モデル
担当機関 岐阜県蚕糸研究所
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 桑の茎頂組織培養系の遺伝的安定性に着目し、品種別の組織培養系を確立して遺伝資源のin-vitro保存法としての可能性を研究した結果、今回用いた共通培地で継代周期を60日とする桑遺伝資源保存のモデルが確立できた。
背景・ねらい 遺伝資源の保存法として組織培養系を用いる場合、形質が安定的に受け継がれていくこと、容易にvivoの系に移せること、保存に係る操作が簡便であることが必要である。
茎頂培養系による個体生産は、これを用いる様々な技術的メリットに加え、遺伝的安定性が格段に優れ、継代した個体の前個体に対する遺伝的な相同性は極めて良好であると考えられる。
これまで、組織培養の手法を桑に応用し、計画的かつ合理的に桑のプラグ成型苗を生産するモデルを確立したが、このモデルは遺伝資源のin-vitro保存法としての全ての条件を備えている。
そこで、桑の遺伝資源保存法としての組織培養系利用モデルを確立する。
成果の内容・特徴
  1. 25℃の培養温度では、通常25日間隔で継代すると、シュートの基部のカルス化、組織のガラス化、培地の褐変ともに問題なく、良好な個体を継代できる。
  2. 培養温度を変化させると、22℃の培養温度で、60日周期でも組織のガラス化が少なく、良好な継代個体が得られる(表1)。
  3. 60日周期で継代を続けた個体の増殖性能を調べると、ヤマグワ系品種で7倍、カラヤマグワ系品種で6倍、ロソウ系品種で3倍の効率で増殖可能である(表2)。
  4. 継代した個体の発根性能を調べた結果、3ppmのNAAで4~7日の範囲で前処理しその後ホルモンフリーのバーミキュライト培地に移植することによって100% 発根可能である。
  5. 採集した桑遺伝資源の成長点組織を分離して組織培養系を確立し、22℃の共通培地で60日間隔で継代することによって、相当長期にわたって資源の保存が可能である。また、この保存個体は十分な発根性能と増殖性能を持ち、容易にvivoの系に移すことが可能である。
  6. 以上から、組織培養系を用いた桑遺伝資源保存をモデル化することができる。
成果の活用面・留意点
  1. このモデル系で保存する個体は、培養環境に十分順化させておかねばならない。
  2. 品種によって、培地の褐変化が起こる場合があるので注意する必要がある。
  3. 保存個体を発根させる場合、継代後30日以内が望ましい。
図表1 214963-1.gif
図表2 214963-2.gif
カテゴリ 遺伝資源 桑 品種

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