タイトル |
トマト養液長期一作栽培の経営的効果 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
トマト養液長期一作栽培は土耕栽培に比べ単位面積当たり労働受容力が高く、また収穫開始時期を前進させることができ、雇用促進等経営的に効果がある。
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背景・ねらい |
都市近郊の経営体では、装備化、装置化を図るとともに、労働力が得やすいというメリットを生かした経営発展が必要である。施設トマト作経営における雇用労働力導入による経営規模拡大を図る場合に必要な条件を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 単位面積当たり労働受容力の向上
S出荷組合のトマト作経営(養液長期一作栽培)での10a当たり年間労働時間は、トマト2,100時間、ミニトマト2,300時間、比較対照とした土耕栽培の促成、半促成トマトでは、1,300~1,600時間である。単位面積当たりの労働受容力の増加が雇用労働力導入の契機になっており、S出荷組合の調査から、家族労働力2人とした場合、雇用を開始する経営面積は25~30aと推定される(表1)。
- 被雇用者用作業体系の改善
養液長期一作栽培は、土耕栽培と比較して収穫調製、誘引・つる下げ作業が増加している(表2)。被雇用者の作業分担をみるとトマトでは収穫調製、摘果・摘葉、ミニトマトでは収穫調製のような単純化できる作業での分担が明確化してきている(表3)。雇用を導入した経営では、被雇用者用の単純化した栽培管理作業体系が必要である。
- 雇用のための周年化対応
養液長期一作栽培は、施設を周年利用でき、施設稼働率が向上する。養液栽培は、養液温度をコントロールすることにより、土耕促成栽培と比較すると収穫開始期を前進させることができる。収穫期間の拡大が、11カ月間の雇用を可能にしている。
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成果の活用面・留意点 |
- トマト作では養液長期一作栽培への転換によって、25~30aの経営面積で雇用導入が可能となる。
- 規模拡大を検討する場合被雇用者の作業の多くは、手作業に依存した摘葉、収穫調製作業であるのでこの部分の能率向上策と省力化を図る必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
規模拡大
経営管理
栽培技術
出荷調整
省力化
トマト
ミニトマト
養液栽培
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