早期水稲における玄米窒素含有率変動要因と陽イオン交換容量による施肥対応

タイトル 早期水稲における玄米窒素含有率変動要因と陽イオン交換容量による施肥対応
担当機関 埼玉県農業試験場
研究期間 1992~1994
研究担当者
発行年度 1996
要約 早期・早植水稲栽培において、米の食味と関係の深い玄米窒素含有率は、土壌要因では主に陽イオン交換容量(CEC)に、施肥要因では穂肥量と関係が深い。良食味のための早期コシヒカリの基肥窒素量は、CEC15me以下では4kg/10a、20me以上は2~3kgが適量である。
背景・ねらい 埼玉県では平成元年より近赤外分光装置を活用した多数の米サンプルの玄米窒素含有率の実態を調査してきた。これを環境基礎調査の土壌データとリンクさせて解析することにより土壌と食味の関係を明らかにし、土壌タイプ別の食味向上施肥法を確立しようとした。
成果の内容・特徴
  1. 早期・早植栽培玄米80点について、食味と負の関係にあるとされる玄米窒素含有率を目的変数に、土壌・施肥法・品種などの変動要因を説明項目として、数量化Ⅰ類による解析を試みた。
  2. 各説明項目と玄米窒素含有率との関連の大きさは偏相関係数で説明される。特に陽イオン交換容量(CEC)、品種、穂肥量のウエイトが高かった。土壌統群、可給態窒素の係数は比較的小さかった。 (図1)
  3. 各説明項目の分類区分の玄米窒素含有率に対する規準化数量をみると、CECが小さいこと、品種ではコシヒカリであることが窒素含有率を下げる方向に働き、穂肥量が多いことが増加させる方向に働いていることが明らかになった。この説明の重相関係数は有意な値であった。 (図2)
  4. 上記の結果を踏まえ、CECを15me以下と20me以上の圃場を選定し、施肥量を統一してコシヒカリ早期栽培を行ったところ、CECの大きいグループの方が、玄米収量性は高い。 しかし、玄米窒素含有率も高いことが確認された。 (表1)
  5. CECが異なりかつ可給態窒素が同程度の2圃場で基肥量を3段階に変えたコシヒカリ栽培試験を行った。両圃場とも無窒素栽培での窒素吸収量に大きな差は無かった。CECが中程度(22me)の圃場は、基肥N3kg/10aで収量が最大になるが、4kgで倒伏が発生し減収した。玄米窒素含有率は施肥Nの増加で上昇した。一方、CECの小さい圃場(13me)では、基肥4kgまで倒伏が発生せず収量が向上した。玄米窒素含有率も施肥量に合わせて上昇したが、CEC中程度圃場よりも低かった。 (図3)以上から、CEC15me以下では基肥N量4kg、20me以上では2~3kgが適量であると判断した。
成果の活用面・留意点
  1. CECが大きい圃場は土壌窒素無機化量も大きいと考えられるので、土壌窒素無機化量を考慮した解析が今後必要である。
  2. 穂肥施用量は玄米窒素含有率に与える影響が大きいので、CECの大きい圃場は過剰な穂肥を行わない。
図表1 215248-1.gif
図表2 215248-2.gif
図表3 215248-3.gif
図表4 215248-4.gif
カテゴリ 水稲 施肥 品種 良食味

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