18℃前後の地下水を利用した水稲の耐冷性検定法

タイトル 18℃前後の地下水を利用した水稲の耐冷性検定法
担当機関 茨城県農業総合センター
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 18℃前後の地下水を、水深25cmのほぼ正方形の水田圃場の一辺から均一にかつゆるやかに供給し、反対側から暖まった表層水を均一に溢水させる。さらに、温度センサーにより地下水の供給を制御することによって、水温を19℃前後に調節し、これによって水稲の耐冷性を高精度で安定的に検定できる。
背景・ねらい 水稲の耐冷性検定には、用水を循環させて温度制御する「恒温深水法」が東北各県をはじめとして広く用いられている。しかし、この検定法は、地下水や湧水など約14℃以下の水が多量にないと実用化できない場合が多い。そこで、検定温度に近い18℃前後の地下水でも、高精度で検定できる耐冷性検定法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 水深25cmのほぼ正方形の水田圃場の一辺から18℃前後の地下水を均一にかつゆるやかに供給し、反対側から暖まった表層水を均一に溢水させることによって田面水を冷却する(図1、図3)。「恒温深水法」で実施されている用水の循環は行わない。
  2. 圃場の中央付近の水深15cmに設置した温度センサーにより地下水の供給を制御することによって、水温を調節する。本圃場では、水温19.6℃で給水を開始し、19.0℃に達したら給水を停止するようにした。
  3. 検定圃場の面積と地下水の供給能力については、本圃場では水田面積90m2・水深25cm(水量22.5t)に地下水を毎分0.5t供給できるポンプを組み合わせた。
  4. この結果、地下水温17.9℃の場合、最高気温34.8℃の高温条件でも幼穂のある水深13cm付近では18.4~19.9℃の水温を維持できた(図2)。また、圃場内16カ所のフジミノリ(耐冷性:中)の不稔率は58~84%で検定に十分な値を示し、排水側と南側の一部でやや低いことを除けば位置によるムラも少なかった(図3)。
  5. 耐冷性基準品種の耐冷性程度(1986年度育種連絡会議)と本圃場で調査した不稔程度とはよく対応し(表1)、供試品種・系統の耐冷性程度はこれら基準品種の不稔程度と照らし合わせて判定することができる。また、1品種・系統を1株5本植えすることによって、本圃場の規模でも1000品種・系統以上の検定が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 本検定法は、18℃前後の比較的高温の地下水・用水等を利用する場合に限る。
  2. 圃場内の冷却ムラを小さくするため、圃場の区画は正方形またはやや細長とし、給・排水はいずれも上面から均一に行う。
図表1 215357-1.gif
図表2 215357-2.gif
図表3 215357-3.gif
図表4 215357-4.gif
カテゴリ 育種 水田 水稲 品種

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