タイトル |
草姿の優れた切花用バラ新品種「ロゼヴィアン」 |
担当機関 |
岐阜県農業総合研究センター |
研究期間 |
1994~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
新しい切花用バラ品種「ロゼヴィアン」を交雑育種により育成した。新品種の花色、花形は親品種「ローテローゼ」に類似する。「ローテローゼ」に比べ、花首長や葉長・葉幅が短いことから、草姿はコンパクトになる。
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背景・ねらい |
バラの新品種は大部分が海外育成品種であり、栽培適性等不明な点が多く、導入する際のリスクが大きい。また、産地間競争の激化はオリジナル品種の開発を急務としている。そこで、主力品種である「ローテローゼ」に匹敵する赤系の新品種育成を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 本品種は平成6年に「スターダム」選抜系統を母親、「ローテローゼ」選抜系を父親として交配。その選抜系統より系統番号95-39(ロゼヴィアン)を新品種として選抜した。
- 花形は半剣弁高芯咲き。花色は花弁表面が濃赤(JHS0407)色、裏側は鮮紅(JHS0107)色、基部が明緑黄(JHS2704)色で、対照品種「ローテローゼ」よりもやや淡色となる(表1)。
- 花弁数は対照品種に比べやや少ないが、日持ち性については本品種と対照品種とも7日で同等である(表2)。
- 花首長は、対照品種より30%程度短く、硬さも変わらない。また、花首の曲がりは無いことから、品質的に優れる(表2)。
- 葉の大きさは、対照品種に比べ全葉長・全葉幅が30%程度短く、小葉長・小葉幅についても20%短くなることから、コンパクトな良い草姿となる(図1)。
- 4ヶ月間の総収量は株当たり3.0本と対照品種3.6本に比べやや少ないが、上物(60cm以上の切花)率が高いため、上物本数はほぼ同等となる(図2)。
- ウドンコ病抵抗性は中からやや強で、対照品種と同等かやや優れる。
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成果の活用面・留意点 |
- 樹勢を強く維持したほうが、収量・品質的に優れることから、アーチング栽培を行うか、通常の栽培よりやや多肥条件で管理する。
- 夏季の高温条件では花色がやや薄くなることから、平坦地では冬切り栽培に適する。
- ロックウール栽培においても、挿木苗では樹勢が弱く、収量・品質がやや劣ることから、栽培には接ぎ木苗を用いる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育種
うどんこ病
新品種
新品種育成
接ぎ木
抵抗性
ばら
品種
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