中山間地のシクラメン栽培における葉組み作業は、摘葉処理で著しく省力化する

タイトル 中山間地のシクラメン栽培における葉組み作業は、摘葉処理で著しく省力化する
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 中山間地シクラメン栽培で多大な労力を要する葉組み作業に対し、摘葉処理は著しく省力化でき、しかも草姿が改善され、高品質化できる。摘葉は8月上旬から月中旬にかけて、老化葉を中心に3割程度1回行い、適正濃度で窒素追肥を行う。
背景・ねらい 夏季冷涼な気候を活かした中山間地域のシクラメン栽培では、底面給水栽培の導入により、灌水労力の大幅な省力化が図られた。しかし、依然として、移植、出荷作業に次いで葉組み作業に労力がかかるため、特に雇用労力が不足しやすい中山間地域では規模拡大の妨げとなっている。
葉組みは、5号鉢で3回、6号鉢で4~5回と多大な労力がかかるため、これに代わる省力化技術として摘葉処理を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 8月上旬から9月上旬にかけて(本葉40~50枚の頃) 老化した葉、葉柄の短い葉などを30%摘除することにより、出荷時には葉数・花蕾数とも十分確保でき、葉組みと同等かそれ以上の品質のシクラメンになる( 表1)。
  2. これまでの労力のかかる葉組み作業に代わる「摘葉処理」により、著しく省力化(約 60%減) できる(図1)。
  3. 30%の摘葉処理後に液肥を窒素成分で株当たり15mg/ 週施用することにより、労力をかけて3回葉組みしたシクラメンに比べ、新葉が多く発生し、遜色ない品質のシクラメンが得られる(写真)。
  4. 以上、シクラメンの摘葉処理は、大きな省力効果があり、早期出荷を中心とした中山間地域に適し、特に5号鉢では、良品・均一生産が可能となる。
成果の活用面・留意点
  1. 摘葉処理は、「ハイドン」、「ボロディン」、「ピアス」のような生育スピードが早く葉数の確保が容易で、早生タイプの品種に適用できる。「スコルテン系パステル」のような晩生タイプで葉数の確保が難しい品種で摘葉する場合は、摘葉割合を少なくして、葉組みと組み合わせる。
  2. 8月中旬頃は、鉢上げ時の下葉が黄化する時期であるため、摘葉処理により葉の更新がスムーズに行える。本県の中山間地域では、開花促進を目的としたジベレリン処理の3週間前の8月中旬が摘葉処理の適期である。晴天の続く日を選び摘葉処理を行う。
  3. なお、平坦地では、本葉50枚程度の花蕾発達期を目安に、品種毎に処理適期を検討してから摘葉処理を行うが、天候不順の時期は避け、摘葉処理後、葉柄基部への農薬散布を徹底する。
図表1 215810-1.gif
図表2 215810-2.gif
カテゴリ 病害虫 規模拡大 シクラメン 出荷調整 省力化 中山間地域 農薬 品種

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