タイトル |
大粒のブルーベリー新品種「おおつぶ星」、「あまつぶ星」 |
担当機関 |
群馬県園芸試験場 |
研究期間 |
1992~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
ブルーベリー新品種「おおつぶ星」、「あまつぶ星」は、「コリンズ」及び「コビル」の自然交雑実生から育成した品種で、「おおつぶ星」は中生種、「あまつぶ星」は中晩生種である。両品種ともに果実は大きく、「おおつぶ星」は酸味が強いが、日持ちが良く、「あまつぶ星」は甘味、酸味ともに中程度で、食味は良好である。
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背景・ねらい |
近年、ブルーベリーの機能性が注目され、その栽培面積が増加している。しかし日本で栽培されている品種の中には小粒で収穫作業に多くの労力が必要なもの、食味が劣るもの、日持ちの悪いものなどが含まれている。そこで、ブルーベリー栽培での収穫作業の省力化や付加価値の向上をねらいとして、ハイブッシュ系ブルーベリー大粒種の育成を行った。
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成果の内容・特徴 |
「おおつぶ星」、「あまつぶ星」は昭和56年に播種した「コリンズ」及び「コビル」の自然交雑実生から選抜、育成した。平成4年に登録申請を行い、平成10年に「おおつぶ星」(登録番号6926号)が、平成11年に「あまつぶ星」(登録番号7176号)が品種登録された。
- 「おおつぶ星」の樹勢はやや強、樹姿は中間型である。着花数は中程度で花房はやや粗めに着生する。果皮は暗青色、果形は扁円形、果実重は2.0gで大粒である。がくは直立型で、果柄痕は中程度の大きさで乾いている。果実の肉質は硬く、酸味は強めである(表1)。収穫最盛期は7月中旬で、中生種である。収量性は中位、収穫時期の脱粒性、裂果性は中程度で、日持ちは良く、挿し木発根性は良好である(表2)。
- 「あまつぶ星」の樹勢は中位、樹姿はやや直立型である。着花数は中程度で花房も中程度に着生する。果皮は青色、果形は扁円形、果実重は1.9gで大粒である。がくは閉鎖型で、果柄痕は中程度の大きさでやや湿っている。果実の肉質は軟らかく、甘味、酸味ともに中程度である(表1)。収穫最盛期は7月下旬で、中晩生種である。収量性は中位、収穫時期の脱粒性は易、裂果性は中程度で、日持ちは中位、挿し木発根性は中位である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 収量性は中位であり、大粒で着果もやや粗いため収穫作業の省力化が可能となる。
- 栽植にあたっては必ず土壌酸度を測定し、pHの値が高い場合には硫黄華などを施用して酸度の矯正を行う。またピートモスを根の周囲に施すなど土壌改良を行う。
- 同一ほ場内に他品種の混植を行い、結実を良好にする。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
あま
機能性
挿し木
省力化
新品種
土壌改良
播種
品種
ブルーベリー
良食味
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