タイトル | 0.5mlストローを用いて簡易凍結したブタ凍結精液の受胎性 |
---|---|
担当機関 | 静岡県中小試 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
井出華子 河原崎達雄 柴田昌利 大竹正剛 知久幹夫 土屋聖子 堀内篤 |
発行年度 | 2003 |
要約 | eCGおよびhCGを投与し発情誘起した未成熟ブタに対して、hCG投与36~40時間後に、0.5mlストローで簡易凍結後、融解した精液30ml(30億個;0.5mlストロー6本)を1~2回人工授精することで通常の受胎率と産子数を得ることができる。 |
キーワード | ブタ、精液、簡易凍結、0.5mlストロー、授精、未成熟雌ブタ |
背景・ねらい | 系統造成豚や希少品種などの遺伝資源を効率的に保存することを目的とし、0.5mlストローを用いたブタ精液の簡易凍結法について検討した。これまでの研究で、簡易凍結法による凍結時の温度コントロール、グリセリン平衡時間について検討し、安定的に凍結精液を作製することが可能となった(平成13年度成果情報)。本研究では、0.5mlストローを用いた簡易凍結法で作製したブタ凍結精液の授精条件を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. hCG投与後36、38あるいは40時間に、30ml(30億個;0.5mlストロー6本)の凍結・融解精液で人工授精、授精4日後にと殺、胚を回収し、受精率を比較した。回収胚に対する正常胚の割合は、76.6(38時間)~89.0%(40時間)であり、授精時間により有意差はなく、全体の平均正常胚率は81.7%(18頭)である(表1)。 2. hCG投与40時間後に、15ml(15億個;0.5mlストロー3本)あるいは30ml(30億個;0.5mlストロー6本)の精液を注入した。授精4日後の正常胚率は30ml注入区で86.4%と15ml注入区の75.4%に比較して高い傾向にある(表2)。 3. hCG投与後36時間に1回、40時間に1回、あるいは36時間と40時間の2回、30mlの精液を注入、授精後30~33日目にと殺し、受胎の有無、胎子数を検査した。受胎率、胎子数は、それぞれの授精区で差はなく、全体の受胎率は92.3%(12/13頭)、受胎ブタの平均胎子数は10.5頭である(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 低コストで凍結精液の作製、保管が可能であり、種豚の生産、遺伝資源の保存、体外受精等に利用可能と思われる。 2. 卵管内授精を行うことにより、さらに少数の精子(凍結時の精子数2.5×108個)で授精が可能である(未発表データ)。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 遺伝資源 低コスト 品種 豚 |