タイトル | DNAマーカーによる愛知県育成キク品種「白粋」の識別 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2006~2008 |
研究担当者 |
吉川友紀 水上優子 浅見逸夫 大竹良知 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 愛知県が育成した白一輪ギク品種「白粋」について、市場に流通している主な白一輪ギク品種から、4種類のRAPDプライマーによる多型をDNAマーカーとして用いて識別できる。 |
キーワード | 輪ギク、品種識別、DNAマーカー、RAPD法、白粋 |
背景・ねらい | 愛知県が育成した白一輪ギク品種「白粋」について、品種が持つ固有の遺伝情報の違いを正確、確実に識別する技術を確立し、知的財産権の侵害の防止と、県内園芸産地の振興に役立てる。本研究では、RAPD(Random Amplified polymorphic DNA)法によって、市場に流通する主な品種と「白粋」を識別するDNAマーカーを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「白粋」と、識別対象品種・系統として、全国の花き卸10社を対象にした2006年の花き品種別流通動向分析調査によるキク流通量上位10品種の中から選定した白一輪ギク「神馬」、「精興の誠」、「岩の白扇」、「フローラル優香」、「精の波」の5品種、さらに、他の白一輪ギク品種「吉良の馬」、「新神」、「神馬無側枝系統」、「神馬2号」、「清流の朝」と、現在生産はほとんどないが、かつての主力品種の「金丸富士」、「秀芳の力」の計13品種・系統を用いる。これらの中から「白粋」を以下の手法で識別できる。 2. これら13品種・系統について、市販の10塩基ランダムプライマー(OPERON社)を用いてPCR増幅し、バンドパターンの違いを検証するRAPD法によって品種間多型を検出する。 DNAは、葉片からDNeasy Plant Mini kit(QIAGEN社)を用いて抽出し、10~20ng/μLに調整し、PCR反応の鋳型DNAとする。反応液は、10μM プライマー:0.5μL、AmpliTaq Gold DNA polymerase(5Units/μL:Roche社):0.1μL、10倍希釈添付Buffer:1.0μL、2mM dNTPs:1.0μL、鋳型DNA:1.0μL、滅菌水:6.4μLの計10μLとする。PCR反応は94℃9分、(94℃1分・36℃1分・72℃2分)45サイクル、72℃7分の条件で行う。 3. 「白粋」については、OPA10、OPG5、OPG6、OPG19のプライマー(表1)によって、他の品種・系統と識別することができる。「白粋」は、OPA10の550bp、OPG6の200bp、OPG19の700bpのバンドが有り、OPG5の250bpのバンドが無い。(図1、表2) |
成果の活用面・留意点 | 1. 愛知県の育成キク品種「白粋」の育成者権の保護に活用できる。 2. 現行流通している主要品種から「白粋」を確実に識別できる。しかし、今回検定に供試した以外の品種・系統については別途検定する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 馬 きく DNAマーカー 品種 |