カンキツ幼苗葉中のナリンジン含量による早期選抜法

タイトル カンキツ幼苗葉中のナリンジン含量による早期選抜法
担当機関 広島農技セ
研究期間 1998~2010
研究担当者 金好純子
蔵尾公紀
発行年度 2001
要約 多胚性カンキツの珠心胚実生葉に含まれる苦味成分のナリンジン含量は、果汁中に含まれるナリンジン含量と相関がある。このため、実生葉を分析する幼苗検定で果汁に含まれるナリンジンの含量が予測でき、早期選抜に利用できる。
キーワード カンキツ、ナリンジン、幼苗検定
背景・ねらい カンキツ類の交雑育種では交雑実生が結実するまでの期間が長いため、果実特性を調査するまでに長い年月を必要とする。そこで、検定までの期間を短縮する幼苗検定法を開発するため、同じ遺伝形質を持つ多胚性品種の珠心胚実生を利用して、果汁に含まれるナリンジンと葉に含まれるナリンジンとの定量的な相関関係を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 多胚性15品種を供試して、成木から3月に収穫した果実を圧搾法で搾汁した果汁と3月に採取した春枝の葉、及び播種後6ヶ月後の珠心胚実生主枝中位葉のナリンジンを松本・奥代(1985)の方法により抽出定量した結果、果汁と成木葉に含まれるナリンジンの含量には、正の相関関係(相関係数0.619***)が認められる(図1)。
  2. 成木葉と播種後6ヶ月後の珠心胚実生主枝中位葉に含まれるナリンジンの含量には、正の相関関係(相関係数0.707***)が認められる(図2)。
  3. 果汁中のナリンジン(y)と実生葉に含まれるナリンジンの含量(x)には、正の相関関係(相関係数0.615***)があり(図3)、 y=32.853x+2.495、r=0.615の回帰式が得られる。大沢とスタールビーは、果汁のナリンジン含量が多く、回帰式からやや外れる。
  4. 以上の結果から、多胚性品種の実生葉でナリンジン含量を測定すれば、果汁のナリンジン含量の推定が可能で、早期選抜に利用できる。
成果の活用面・留意点
  1. 当面は,既知の果汁中のナリンジン含量の食味適値から実生葉中のナリンジン含量を推定して早期選抜に役立てる。
  2. 大沢、スタールビーのように回帰式からやや外れる品種を育種親として活用する際には、選抜範囲を拡大する等留意する必要がある。
図表1 219226-1.jpg
図表2 219226-2.jpg
図表3 219226-3.jpg
カテゴリ 育種 播種 品種 良食味 その他のかんきつ

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