マイクロプレートを用いたナスすすかび病薬剤感受性の調査法

タイトル マイクロプレートを用いたナスすすかび病薬剤感受性の調査法
担当機関 大阪食とみどり技セ
研究期間 2002~2004
研究担当者 岡田清嗣
瓦谷光男
山口博史
中曽根渡
発行年度 2003
要約 ナスすすかび病菌のクレソキシムメチル剤に対する感受性は、病斑から直接採取調整した胞子懸濁液と薬液をマイクロプレート内で混合し、菌糸伸長50%生育阻害率により検定することができる。
キーワード すすかび病菌、薬剤感受性、クレソキシムメチル剤、マイクロプレート
背景・ねらい 剤耐性菌の出現により難防除病害となっているナスすすかび病菌は、検定培地上での菌糸伸長が極めて緩慢であり、寒天希釈平板法では薬剤感受性検定が困難である。またPCR-RFLP法は信頼性は高いがコストが高く技術的熟練を要する。そこで、簡易かつ迅速な検定手法の確立のため、前培養および検定用寒天培地を省略し、病斑から直接胞子懸濁液を調整、マイクロプレート内で薬液と混合し、菌糸伸長の度合を比較して感受性検定を行う手法(以下マイクロプレート法)を開発する。
成果の内容・特徴
  1. マイクロプレート法は、以下のような手順で行う。(1)すすかび病罹病葉の病斑または培養菌叢から清浄な絵筆で分生子を掻き取り滅菌水(含0.02%Tween20)に懸濁する(10~50個/視野)。(2)最終濃度が0.27、1.08、4.31ppmとなるように調整したクレソキシムメチル剤(商品名;ストロビーフロアブル)と胞子懸濁液をそれぞれ0.1mlずつマイクロプレート内で混合する。(3)プレートをラップで包み、振とうもしくは転倒混和して25℃、3日間培養後、倒立顕微鏡で菌糸伸長の度合を無処理区と比較、観察する。胞子50-100個の菌糸生育が無処理区の50%以下に抑制された場合を感受性、50%以上を耐性と判断する(図1)。
  2. 感受性が異なる既知の菌株から調整した胞子懸濁液を用いてクレソキシムメチル剤に対する感受性をマイクロプレート法で感受性検定すると、感受性菌群(<1.08ppm)と耐性菌群(138ppm<)の二峰分布を示して明確に区別され、寒天希釈平板法による検定結果と一致する(図2)。
  3. 府下の千両ナスおよび水ナス(6市町、10ほ場)から採取したすすかび病菌(H14年46菌株、H15年96菌株)を、本法を用いてクレソキシムメチル剤4.31ppmの条件で検定した結果、供試菌はすべて無処理区と同等の生育を示す耐性菌であり、またPCR-RFLP法による検定結果とも一致し、本法の信頼性は高い(図3、表1)。

成果の活用面・留意点
  1. マイクロプレート法によりクレソキシムメチル剤の薬剤感受性を簡易かつ迅速に検定することができる。
  2. 検定にはできるだけ新鮮な胞子を利用する。
  3. 本法を他の薬剤に適用を図る場合は、個々の薬剤ごとの最少生育阻止濃度やEC50値を確認の上、使用する。

図表1 219600-1.jpg
図表2 219600-2.jpg
カテゴリ 病害虫 コスト 耐性菌 なす 防除 薬剤

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