タイトル |
太陽熱消毒や防虫ネット等を利用したスイカ後作ホウレンソウの有機栽培 |
担当機関 |
鳥取園試 |
研究期間 |
2001~2004 |
研究担当者 |
竺原宏人
篠原勇一
川上俊博
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発行年度 |
2003 |
要約 |
ハウス太陽熱消毒、防虫ネット、フェロモン剤等を利用し、油粕、魚粉を主体とした施肥によりスイカ後作ホウレンソウの有機栽培が可能である。
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キーワード |
ホウレンソウ、太陽熱消毒、有機質肥料、防虫ネット
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背景・ねらい |
野菜の有機栽培農産物など安全・安心な農産物に対する消費ニ-ズは高い。そこで、スイカとその後作に多く栽培されているホウレンソウについてクリーンエネルギーを利用した有機栽培を検討している。この作付体系の一部であるスイカ後作のホウレンソウの有機栽培に利用可能な技術を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 肥料は油粕、魚粉を主体に草木リンピ、セルカ、キーゼライトを使用する。1作目は、前作スイカの肥料の残効があるため無施肥で栽培可能であり、2、3作目はそれぞれ施肥窒素量5.8kg/10aを施用する(表1)。播種は1作目が8月上旬、2作目が9月下旬、3作目が11月中旬に行う(表4)。収量は慣行栽培と同等程度得られる(表2)。
- 害虫対策として、防虫ネットをハウスのサイド部(1.0mm)と入口(0.6mm)には二重に設置する。アブラムシ飛来回避のため、銀色テープ(3×60cm)を25cm間隔でビニールひもに取り付け後、ハウスサイド周辺の高さ60cmと150cmに設置する。ハウス内にはヨトウコンSをシロイチモジヨトウ対策として設置する。ハダニの発生が見られたら、有機栽培で使用が認められている硫黄粉剤を使用する。この様な対策を行うことで害虫は慣行並に抑えることができる(表3)。
- 土壌病害と雑草対策として太陽熱消毒をスイカ栽培後の7月上旬から8月上旬までの約1か月間行う。かん水量は10a当たり360?、ハウスの密閉期間は地温の40℃以上が192時間を目安とする。地温の測定は深さ20cmとする。これにより、土壌病害は慣行並に抑えることができる(表3)。また、雑草もハウスサイド通路部の手取り除草が必要であるが、畝上の雑草の発生は抑草でき問題とならない(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 太陽熱消毒時の地温の測定はハウス中央部より地温の上昇が遅いハウス端部で行う。
- 8月上旬は種以降のホウレンソウ栽培に利用できる。品種は鳥取県中部の慣行品種で1作目「プラトン」、2作目「ミストラル」、3作目「シーバス」を使用した。
- 太陽熱消毒時のかん水量は黒ボク土層が30cm程度で下層が粘質土の地帯で利用できる量である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
有機栽培
土づくり
肥料
病害虫
害虫
かき
くり
雑草
除草
すいか
施肥
播種
品種
フェロモン
ほうれんそう
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