タイトル |
熱水土壌消毒ほ場におけるサブソイラ施工による熱水浸透効果 |
担当機関 |
兵庫農総セ |
研究期間 |
2001~2004 |
研究担当者 |
松本功
加藤雅宣
竹川昌宏
小松正紀
斎藤隆雄
八瀬順也
永井耕介
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発行年度 |
2004 |
要約 |
不透水層のあるハウス設置ほ場における熱水土壌消毒は、事前に振動式サブソイラ施工によって、熱湯注入量を増加し地表下20cmで4.5時間にわたり地温45℃を維持できる。
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キーワード |
熱水土壌消毒、施設野菜、弾丸暗渠
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背景・ねらい |
ビニルハウスでの軟弱野菜栽培において、周年栽培化、減農薬栽培の拡大等により、土壌病虫害、雑草被害、土壌養分過剰などが深刻な問題となっている。施設の多くは水田転換ほ場であり作土直下の透水性も低く、熱湯注入量の目安である150L/m2の実現に困難を来たしている。事前のほ場準備にサブソイラ施工することで、熱湯注入量の向上を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 本成果の摘要事例である供試ハウス土壌構造は地表下20cmあたりに耕盤層を形成し、同30cmくらいに次層の粘土層が現れることが、排水性の悪さの原因と考えられる。次層位置は基盤整備の切り土・盛り土の影響がある(図1)。
- 熱水土壌消毒の圃場準備時に、振動式サブソイラ(1連仕様)を用いて深さ43cmの浅層弾丸暗渠を50cm間隔で長辺方向に施工する(図2)。ハウスの奥に向かって1方向連接作業の所要時間は約45分(8行程・総延長176m)である。
- ハウスサイドからの熱水流出は、同一ビニルハウスに設定した対照区では開始4時間後(熱湯85L/m2相当)から始まる。サブソイラ処理区は、土壌中への熱水浸透拡散が促進されることにより熱水流出を6.5時間後(熱湯138L/m2相当)に遅らせることができる。このとき熱湯注入速度は72.5L/minである。
- 90℃の熱水を散水用チューブで土壌に流し込むと、両区とも地温は10cm深さで40℃以上が12時間、20cm深さで40℃以上が20時間以上確保できる。特にサブソイラ区では、20cm深さで45℃以上持続を対照区(0時間)に比べ4.5時間と長くできる(図3、4)。
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成果の活用面・留意点 |
- あらかじめ貫入式土壌硬度計で測ることで透水の悪い層の深さを把握でき、熱水土壌消毒のほ場準備に役立てることができる。
- 事前のサブソイラ施工により熱水土壌消毒効果を高めること、さらには消毒作業時間の短縮が期待される。また、地下水位の高くないことが条件となる。
- 消毒効果は、地温40℃以上を数時間(萎凋病・立枯病・根こぶ等の病害対象)、45℃以上を3時間(キスジノミハムシ対象)維持できることが目安である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
水田
立枯病
土壌消毒
農薬
排水性
野菜栽培
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