黒毛和種肥育牛の筋肉中遊離アミノ酸及びイノシン酸含量に及ぼす種雄牛の影響

タイトル 黒毛和種肥育牛の筋肉中遊離アミノ酸及びイノシン酸含量に及ぼす種雄牛の影響
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2002~2006
研究担当者 岩本英治
岡 章生
発行年度 2005
要約 黒毛和種去勢牛の筋肉中の遊離アミノ酸およびイノシン酸含量は種雄牛による遺伝的影響を大きく受けることが明らかとなる。さらに、これら美味しさ成分と枝肉形質との関連性ではアスパラギン酸、アンセリン、カルノシンおよびイノシン酸は粗脂肪含量の増加により減少する傾向がある。
キーワード 遊離アミノ酸、イノシン酸、遺伝的影響、黒毛和種肥育牛
背景・ねらい 食肉の味には、遊離アミノ酸(FAA)や核酸が影響し、なかでも昆布に多く含まれるグルタミン酸や鰹節に多く含まれるイノシン酸(IMP)が主として鶏肉の呈味に影響し、この2成分が鶏肉の味を特徴づける重要な要因であることがわかっている。しかし、牛肉のFAAおよびIMPに関する報告はわずかであり、黒毛和種牛肉におけるFAAおよびIMPに及ぼす遺伝的影響を調べた報告はない。そこで、飼養条件を同様にした黒毛和種去勢肥育牛について筋肉中のFAAおよびIMPを分析し、種雄牛の影響を調べる。さらに、FAAおよびIMPと枝肉形質との関連性についても検討する。
成果の内容・特徴
  1. 黒毛和種種雄牛5頭の産子である去勢牛40頭(1種雄牛に各8頭)を用い、9か月齢から同一の飼料を給与し、29か月齢でと畜する。と畜後2日目に第6~7肋間の枝肉切開面から胸最長筋を採取し、FAAおよびIMPを分析する。
  2. 27種のFAA中、23種で種雄牛間に有意な差が認められる。さらに、IMP含量においてもFAAと同様に種雄牛により有意な差が認められる(表1)。
  3. 美味しさ成分と枝肉形質(枝肉重量、ロース芯面積、バラ厚、皮下脂肪厚、歩留基準値、脂肪交雑値、粗脂肪含量)との関連性では、総FAA含量と枝肉重量との間に有意な負の相関関係が認められる(表2)。さらに、個々のFAAのうちアスパラギン酸(Asp)、アンセリン(Ans)およびカルノシン(Car)含量と粗脂肪含量との間に有意な負の相関が認められる。また、IMP含量においてもロース芯面積および粗脂肪含量との間に有意な負の相関が認められる。
成果の活用面・留意点 今後、さらに新しく供用される種雄牛の美味しさ成分を把握し、美味しさに優れる種雄牛造成を行っていく。
図表1 220213-1.jpg
図表2 220213-2.jpg
カテゴリ 肉牛 ばら

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる