給与飼料のミネラルバランス(DCAD)調整による妊娠末期のカルシウム吸収の改善

タイトル 給与飼料のミネラルバランス(DCAD)調整による妊娠末期のカルシウム吸収の改善
担当機関 鹿児島県畜産試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 A.Purnomoadi
M.Islam
永西修
鎌田八郎
児島浩貴
寺田文典
寺脇志朗
上宮田正巳
森浩一郎
田鎖直澄
渡辺直人
樋口浩二
野中最子
発行年度 2000
要約 乾乳後期に塩化マグネシウム(MgCl2)500g/日の添加により飼料のDCAD値を26mEq/100gDMから-14mEq/100gDMに低下させることで、分娩前のCa吸収量が増加する。鹿児島県畜産試験場・乳用牛部
背景・ねらい 周産期における代表的な代謝病である乳熱の原因として、泌乳開始に伴う乳中へのカルシウム(Ca)の多量動員やCaをはじめとするミネラル代謝の適応の遅れが指摘されている。さらに、最近ではカリウム(K)の過剰摂取は、Ca吸収を阻害し乳熱発生を促すとされている。本県においても、Kを過剰に含有する自給飼料が多くみられることから、乳牛において高K飼料給与時における対応策を検討する必要がある。そこで、本実験は、妊娠末期の乳牛において、高K飼料給与時における塩化マグネシウム添加によるDCAD調整効果について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 乾物摂取量は、DCAD調整、DCAD未調整の両区において差はない(表2)。このことから、給与飼料への塩化マグネシウムの添加は、採食性に与える影響は少なく、DCAD調整剤として利用できると考えられる。
  2. 体重当尿量は、DCAD調整区がDCAD未調整区に比べ有意に多く、約2倍量である(表2)。
  3. Caのふん中への排せつ量は、区間に有意差が認められず、ほぼ一定量が排せつされる。体重当の尿中Ca排せつ量は、DCAD調整区がDCAD未調整区に比べ有意に多く、約36倍量である。蓄積量は、両区において差はない(表3)。
このことから、可給態のCaが血液中に多く、カルシウムプールも大きいと推察される。
成果の活用面・留意点
  1. 塩化マグネシウムを添加しても採食性に与える影響が少なかったので、飼料のDCAD調整剤として利用できる。
  2. 乳熱の予防効果については、今後検討する必要がある。
図表1 221445-1.jpg
図表2 221445-2.jpg
図表3 221445-3.jpg
カテゴリ 乳牛

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