| タイトル |
畑土壌中のリン脂質脂肪酸組成による土壌細菌バイオマス・フロラの推定 |
| 担当機関 |
農業研究センター |
| 研究期間 |
1998~1998 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1998 |
| 要約 |
畑土壌から抽出したリン脂質に含まれる脂肪酸の含量から細菌バイオマスが推定できる。グルコース添加土壌でのグラム陽性菌の変動はリン脂質a15:0含量により推定可能である。
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| 背景・ねらい |
土壌中の細菌バイオマスは一般に直接検鏡法による菌体の重量換算値が用いられているが、菌の計数に熟練を必要とし、労力がかかる。細菌の細胞膜由来の物質であるリン脂質には動植物・糸状菌にはほとんど含まれない分枝脂肪酸(i15:0,a15:0,i16:0,i17:0,a17:0,p10-17:0など)、環状脂肪酸(17:0cyc,19:0cyc)、バクセン酸(18:1ω7)などがあり、これらの脂肪酸の総和は土壌リン脂質脂肪酸全体の50%以上を占める。 ここでは各種の畑土壌について、土壌リン脂質脂肪酸含量・組成と、直接検鏡法による細菌バイオマス、希釈平板法による単離菌体の脂肪酸組成を比較して土壌細菌バイオマス・フロラの変動解析を行った。
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| 成果の内容・特徴 |
灰色低地土、赤色土、厚層多腐植質黒ボク土のpHを6.5、土壌水分を最大容水量の 60% に調整し、乾土0.5%のグルコース添加、セルロース添加、および無添加の条件で3-56日間25℃暗所で培養し、経時的に土壌リン脂質を抽出・分析した。
- 灰色低地土、赤色土、厚層多腐植質黒ボク土の直接検鏡法により求めた細菌バイオマス(BB)と土壌リン脂質脂肪酸含量(PLFA)の間には高い相関が認められ、BB=4.0xPLFAとなった。(図1)。
- グルコース添加後、培養3日目に各土壌ともa15:0の割合が無添加に比べ2.6-4.1倍に増加し、淡色黒ボク土では全リン脂質脂肪酸の20%以上となった(図2)。淡色黒ボク土にグルコースを添加後1日目の土壌からTSA培地を用いて分離した細菌菌株は大部分がa15:0を主要な脂肪酸とするグラム陽性菌であり(表1)、図2に示したリン脂質脂肪酸組成の変化と対応していた。
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| 成果の活用面・留意点 |
- リン脂質脂肪酸の測定法の修得は直接検鏡法に比べ簡易で労力も小さい。
- 施用有機物中に細菌由来のリン脂質脂肪酸が多量に存在する場合などは、その量を考慮して考察する必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
肥料
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