| タイトル |
青果物包装内のガス組成最適化のためのガス移動モデル |
| 担当機関 |
北海道農業試験場 |
| 研究期間 |
1994~1994 |
| 研究担当者 |
|
| 発行年度 |
1994 |
| 要約 |
MA包装において、青果物の特性、包材の特性、保存温度等に応じて包装内ガス組成を最適化するための、汎用的なガス移動モデルを開発した。
|
| 背景・ねらい |
青果物の流通においては、品質低下の防止を目的とした各種の包装が行われている。しかし、包装形態及び包装資材の選定は、経験的に、あるいはラフな実験に基づいて行われているため、環境因子の制御が不適切となり、品質低下をきたす例も多い。そこで、各種包装形態における包装内外へのガス移動のモデルを作成し、青果物の呼吸速度及び酸素、二酸化炭素濃度の最適値に関するデータを用いて包装内のガス組成を最適化するための手法、すなわちMA(Modified Atmosphere)包装設計手法を開発する。
|
| 成果の内容・特徴 |
- 有孔フィルム、機能性段ボール箱、発砲スチロール容器などの包材における、間隙部を通したガス移動は、ガスの相互拡散が支配的な物質移動現象であると考えられた。
- 相互拡散によるガスの移動係数、「ガスの空気との相互拡散係数」Dを算出し(表1)、(1)温度の影響が少なく(温度差10℃係数の比「温度係数」が約1.07)、(2)ガスの種類による差が少ない(二酸化炭素と酸素の比が3:4程度)、ことを明らかにした。包材のガスの相互拡散によるガス移動の係数、「有効拡散係数」Deffは、ガスの相互拡散係数D、包材の多孔度ε、及び包材に固有な係数αから、Deff=α・D・εで示される。
- 間隙のない均質なプラスティックフィルムにおけるガスの通過現象を、ガス透過と呼ぶ。青果物に用いられるガス透過性が高いポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムにおけるガス透過係数Pは、(1)温度の影響が大きく(温度係数が1.5~2.5)、(2)ガスの種類による差が大きい(二酸化炭素と酸素の比が3:1~5:1程度)。
- MA包装内では、青果物の呼吸による酸素の消費と二酸化炭素の生成のため、包装内の酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が上昇する。その結果、包装内と外気との間にガスの濃度差が生じ、酸素は包装内へ、二酸化炭素は包装外へ移動する。その際の、任意の包材を通してガス移動係数Kを、2つの形態のガス移動の係数、すなわち、有効拡散係数Deffとガス透過係数Pによって、K=Deff+Pとしてモデル化した。したがって、MA包装における任意ガスの単位時間当たりの移動量Fは、包材内外のガス濃度差ΔC、包材の表面積Sと厚さΔxから、F=-S・K・ΔC/Δxで示される。
- このモデルによって、(1)MA包装内のガス組成比がガス移動形態とその比率の違いによって大きく異なること(図1)、(2)平衡時の包装内のガス組成に対する温度の影響がガス移動様式の違いによって著しく異なること(図2)、などが明らかになった。これらの結果は、青果物を用いた包装において実証された。
|
| 成果の活用面・留意点 |
最適MA包装設計技術の実用化のためには、青果の最適保存ガス条件と呼吸特性に関するデータの蓄積とそのデータベース化が必要である。
|
| 図表1 |
 |
| 図表2 |
 |
| 図表3 |
 |
| カテゴリ |
機能性
データベース
|