| タイトル |
抗カビ性を有するキチン結合性リポプロテイン |
| 担当機関 |
食品総合研究所 |
| 研究期間 |
1994~1994 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1994 |
| 要約 |
バチルス属細菌の培養液から、新規リポプロテインCB-1を精製し、その諸性質を明らかにした。本物質はキチン結合性を有し、植物病原性や木材腐朽性の糸状菌の生育を強力に阻害し、さらに昆虫の脱皮を抑制した。
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| 背景・ねらい |
キチン質は多糖類の一種で、糸状菌の細胞壁や昆虫の外皮などに存在するが、高等動物や植物には含まれない。したがって、キチンを標的とする物質は、糸状菌や昆虫の生育を選択的に制御することが可能である。そのような性質を有するものとして、キチン合成酵素阻害剤、キチン分解酵素およびキチン結合性ペプチド等がこれまでに報告されている。
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| 成果の内容・特徴 |
- 当研究室で分離された細菌Bacillus licheniformis培養液から精製(収量約5mg/l)されたCB-1は、分子量が約42kDaで、10種類のアミノ酸が含まれ、特にグルタミン酸とチロシン、ついでバリンとリジンの比率が大きかった(表1)。脂肪酸はC14-18の飽和脂肪酸(一部メチル岐分鎖)とC18:1の不飽和脂肪酸が検出された(表2)。以上の結果から、CB-1が新規のリポプロテインであることが確認された。
- CB-1はμg/mlの低濃度で、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の菌糸伸長を50%阻害し、供試した他の植物病原性や木材腐朽性の糸状菌の生育も強力に阻害したが、細菌や酵母には効果がなく、抗菌力の種特異性が高いことが明らかとなった(表3)。さらに、オートクレーブやpH2~11で処理しても、抗菌力の低下は認められなかった。またコクゾウ幼虫に対しては、餌の玄米粉にCB-1を1%添加したところ、全個体が死滅した。
- キチンパウダー処理したCB-1溶液を培地に添加したところ、抗菌活性が著しく低下し(図1)、CB-1がキチンパウダーに吸着することが示されたが、CB-1自体にキチナーゼ活性は検出されなかった。したがって、CB-1がキチンに結合し、糸状菌細胞壁の正常な形成の撹乱によって、菌糸伸長が阻害されていると推察された。
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| 成果の活用面・留意点 |
CB-1は酵素ではないため、物理的および化学的に安定であり、さらに生物種の選択性も高いことから、作物防除剤、木材防護剤および殺虫剤としての用途が期待される。また、糸状菌の菌糸伸長時におけるキチン代謝の機構解明にも寄与する。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
病害虫
いもち病
防除
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