21. 吸収と散乱の両特性を有する生乳脂肪の近赤外検量線作成時の波長選択

タイトル 21. 吸収と散乱の両特性を有する生乳脂肪の近赤外検量線作成時の波長選択
担当機関 食品総合研究所
研究期間 1998~2000
研究担当者 伊豫知枝
河野澄夫
発行年度 1998
要約  生乳の近赤外スペクトルにおいて、吸収と散乱の両特性を有する生乳脂肪の吸収バンドを相関プロットから特定することは困難であるが、生乳の近赤外スペクトルにMSC処理を施すことによりその相関プロットから生乳脂肪の吸収バンドを容易に探索する手法を確立した。
背景・ねらい
 近赤外分光法で食品成分測定用の高精度の安定した検量線を作成するには、対象とする成分の吸収バンドを第一波長として選択することが重要である。通常、その波長の探索には相関プロット(注1)が用いられるが、生乳の近赤外スペクトルにおいて吸収と散乱の両特性を有する牛乳脂肪の場合、この相関プロットが有効に機能しないことが知られている。
そこで本研究では、吸収と散乱の両特性を有する成分を対象とする場合の相関プロットの挙動を解明すると共に、相関プロットを用いて適切に成分吸収バンドを特定する手法の開発を試みた。
(注1)スペクトルデータの対象成分値に対する相関係数を各波長ごとにプロットした図。
成果の内容・特徴
  1. 透過方式により測定した生乳の近赤外スペクトルは脂肪含量の増加につれて上方へシフトする(図1)。これは脂肪含量の増加につれて脂肪球の数が増加し、そのことによって光の散乱が強くなるためである。
  2. 原スペクトルから算出した相関プロットはほぼ平坦なグラフを示し、これによる成分吸収バンドの特定は困難である。これはスペクトルに強い多重共線性が存在するためである。
  3. スペクトルを2次微分しても散乱の違いによる影響は除去できず、2次微分スペクトルから算出した相関プロットは対象成分(生乳から抽出した脂肪)の吸収バンドとは無関係の波長でピークを示す(図2)。
  4. スペクトルにMSC処理(注2)を施し、併せて2次微分処理を行うと散乱の違いによる影響はほぼ除去でき、これらの前処理を施したスペクトルから算出した相関プロットは対象成分(脂肪)の吸収バンドでピークを示し(図3)、この波長(926nm)を第一波長とする4波長の検量線において良好な解析結果が得られる(図4)。(注2)スペクトルを平行移動および回転させて特定のスペクトルに合わせこむスペクトルの前処理方法。
成果の活用面・留意点
 多重共線性の強いスペクトルにおいても、本解析方法を用いれば検量線作成に必要な対象成分の吸収バンドを容易に特定することが可能である。
図表1 224515-1.gif
図表2 224515-2.gif
図表3 224515-3.gif
図表4 224515-4.gif
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