タイトル |
28. 紫外線照射によるホウレンソウのα−トコフェロール含量の増加 |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
伊藤秀和
一法師克成
東 敬子
東尾久雄
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ホウレンソウに紫外線(健康線用蛍光ランプ)を照射すると、葉中のα-トコフェロールの含量が高まる。
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背景・ねらい |
高齢化社会を迎え、健康の維持・増進に対する関心は極めて高くなっている。他方、野菜、とりわけ緑黄色野菜に生理的機能のあることが明らかとなり、注目を集めている。そこで、緑黄色野菜に比較的多く含まれ、ビタミンEとしての生理作用に加え、強い抗酸化作用を併せ持つα-トコフェロール含量を高めるホウレンソウの栽培技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 紫外線は健康線用蛍光ランプ(図1)を使い、日中、植物体直上1~2cmの高さより、1回5分程度照射(相対紫外線量:2.1~3.5mW/cm2/ミノルタ紫外線強度計検出器UM-25)する。
- 紫外線を照射することで、照射後およそ24時間後に葉中のα-トコフェロール含量が増加する(図2)。
- 紫外線を繰り返し照射することで、α-トコフェロール含量をさらに高めまることが可能である(図3)。
- 放射紫外線量が少なくなる秋まきハウス栽培のホウレンソウに適用した場合にも、α-トコフェロール含量の増加することが認められる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は紫外線放射量の少ない人工光源を使用する植物工場や冬期寡日照となるハウス栽培地帯におけるホウレンソウの品質改善を図る補助技術として活用できる。
- 1回10分以上の長い照射をすると処理効果が少なくなり、さらには葉に傷害が現れる。また、1日あたりの処理回数を多くしても、効果のないことがある。
- 他の作物あるいは紫外線放射量の異なる季節や地域などでの適用に当たっては、紫外線の照射条件(時間、回数および処理期間)を充分検討する必要がある。
- 健康線用ランプが放射する紫外線にはUV-Cが含まれている。このため、照射時にはランプを直視することのないよう注意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
栽培技術
ほうれんそう
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