バレイショ中のグリコアルカロイドのLC/MSによる高感度分析法

タイトル バレイショ中のグリコアルカロイドのLC/MSによる高感度分析法
担当機関 (独)食品総合研究所
研究期間 2000~2004
研究担当者 吉田充
高田明子(農研機構
小野裕嗣
小林晃(農研機構
森元幸(農研機構
忠田吉弘(消費技術センター併任)
津田昌吾(農研機構
北農研)
発行年度 2004
要約 LC/MSによるバレイショ中のα-ソラニンとα-チャコニンの分析法を開発した。選択的イオン検出(SIM)により、定量限界はα-ソラニンが 1.7 ng/mL、α-チャコニンが 0.83 ng/mLとなり、バレイショ中のグリコアルカロイドを高感度に分析することができる。
キーワード グリコアルカロイド、α-ソラニン、α-チャコニン、LC/MS
背景・ねらい ナス科植物等に含まれているグリコアルカロイドには急性毒性や慢性毒性があることが知られており、 その定量分析法としては GC 法や HPLC 法等が報告されている。しかしながら、GC 法は誘導体化の前処 理が必要で、操作が煩雑である。HPLC 法は、現在最も普及しているが、グリコアルカロイドの検出には、 210 nm 付近の波長を使用するため、しばしば他の成分の妨害により定量が困難となる問題がある。そこで 本研究では、UV と比較して選択性の高い検出方法である MS を使用する LC/MS 分析法を検討した。なお、 バレイショ中のグリコアルカロイドとしては、α-ソラニンとα-チャコニンの他に、これらとは構成糖が 異なるβ-、γ-ソラニン、β-、γ-チャコニン等も知られているが、α型が 95%以上を占めることが報告 されている。
成果の内容・特徴 1.分析は表1の条件で行った。α-ソラニンとα-チャコニンとも[M+H]+が検出され、それぞれ m/z 868.5 と 852.5 であった。保持時間はα-ソラニンが 7.6 分、α-チャコニンが 8.5 分であった。
2.検量線について、α-ソラニンとα-チャコニンを、それぞれ 0.1~20 μg/mL範囲になるように調製し た混合標準液を用いて SIM で測定し、得られたピーク面積を用いて作成した。相関係数は 0.999 以上 であった。
3.装置の定量限界はα-ソラニンが1.7 ng/mL、α-チャコニンが0.83 ng/mLであり、検出限界はα-ソラ ニンが 0.51 ng/mL、α-チャコニンが 0.25 ng/mL であった。
4.添加回収試験はすり下ろしたイモ 500 mg に、α-ソラニンとα-チャコニンが、それぞれ 5 μg または 100 μg になるように添加して行った。いずれの添加濃度においても、両化合物の回収率は 94%以上で あった。
成果の活用面・留意点 1.グリコアルカロイドを高感度に分析できるために、分析試料や使用溶媒を減らすことが可能であり、 多検体のスクリーニング分析には最適である。
2.今後、バレイショのみならず、バレイショを用いた加工食品への適用を検討する。また、バレイショ 中の他のグリコアルカロイドについても高感分析法を検討する。
カテゴリ 加工 なす ばれいしょ

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