タイトル |
イネ若葉に含まれる機能性フラボノイド成分 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 |
研究期間 |
2001~2010 |
研究担当者 |
亀山眞由美
吉田充
金子裕隆(亀田製菓)
熊谷武久(亀田製菓)
新本洋士
川村博幸(亀田製菓)
渡辺紀之(亀田製菓)
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発行年度 |
2006 |
要約 |
イネ若葉乾燥粉末より、メラニン生成抑性作用及び好塩基球脱顆粒抑制作用を有するポリフェノール画分を得た。LC-MS/MS及びNMR解析により、この画分にはフラボンC-グリコシド類が含まれ、フラボン構造が脱顆粒抑制活性に関連していると推察された。
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キーワード |
イネ若葉、好塩基球脱顆粒抑制、メラニン生成抑制、ポリフェノール、フラボン、C-グリコシド
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背景・ねらい |
出穂前の幼若イネを粉末化したものが青汁原料として市販され、その便通改善効果が報告されている。幼若イネには一般の野菜と比較して多くのポリフェノールが含まれるため、その他の生理作用についても興味が持たれる。そこで、幼若イネのポリフェノール成分に着目し、その生理作用と化学構造について調べた。
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成果の内容・特徴 |
- イネ若葉乾燥粉末を水抽出し、固相抽出カラムクロマトグラフィーにより、ポリフェノール画分を得た。
- このポリフェノール画分は、マウスメラノーマB16細胞を用いた試験において、100 μg/mLの濃度で、アルブチン100 μmol/L(27 μg/mL)相当のメラニン生成抑性作用を示した。
- このポリフェノール画分から逆相HPLCにより、5つの成分Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、ⅣおよびⅤを分離した(図1)。
- LC-MS/MS分析で、これらの画分に含まれる物質がフラボンC-グリコシドであることが示され、そのうちⅡ、Ⅲ、ⅣはNMR解析により、neocarlinoside、carlinoside、およびisoorientin-2"-O-β-glucopyranosideと同定された(図2)。ⅠはLC-MS/MS分析でneocarlinoside以外のcarlinosideの異性体であることが示唆された。Ⅴの画分は、アグリコンにC-グリコシド、O-グリコシドおよび有機酸が結合した2種の化合物から構成されていると見られた。
- 抗アレルギー作用をラット好塩基球性白血病細胞RBL-2H3の顆粒中の酵素 β-hexosaminidaseの放出抑制活性で評価したところ、5つのHPLC画分は、アグリコンに結合した糖の種類や有機酸エステルの存在に関係なく、同じような用量依存性で脱顆粒を抑制した(図3)。よって、各成分に共通したフラボン構造が抑制活性に関連していると考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- メラニン生成抑性作用及び脱顆粒抑制作用を有するイネ若葉のフラボンC-グリコシド類は、青汁以外の食品や化粧品にも添加物として利用できる可能性がある。
- フラボンC-グリコシド類は、イネに豊富に含まれるが、大麦や唐辛子、スミレ、ナデシコなど広範な植物にも含まれることが報告されているので、フラボンC-グリコシド類の利用においては、他の植物も抽出原料となり得る。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
大麦
乾燥
機能性
すみれ
なでしこ
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