| タイトル |
イネ・キチナーゼ遺伝子を導入した形質転換トールフェスクの作出 |
| 担当機関 |
草地試験場 |
| 研究期間 |
1996~1996 |
| 研究担当者 |
荒谷博
高溝正
斎藤祐二
秋山典昭
小松敏憲
杉田紳一
藤森雅博
廣井清貞
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| 発行年度 |
1996 |
| 要約 |
プロトプラストへの直接遺伝子導入法によりイネ・キチナーゼ遺伝子を導入したトールフェスク組換え体を多数作出し,その中から葉腐病菌に対する抵抗性程度の高まった個体を見いだした。
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| 背景・ねらい |
重要な寒地型イネ科牧草であるトールフェスクに葉腐病などの糸状菌病に対する飛躍的な耐性を付与することを目的として,プロトプラストへの直接遺伝子導入によりイネ由来のキチナーゼ遺伝子を導入した形質転換個体を作出する。
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| 成果の内容・特徴 |
- 液体培養細胞より単離したトールフェスク(品種ヤマナミ,マナード)プロトプラストにハイグロマイシン耐性遺伝子(pTZR5=プラスミドベクター)またはG418耐性遺伝子(pWI-K6=コムギジェミニウィルス由来シャトルベクター)とともにイネ・キチナーゼcDNA(農業生物資源研究所西澤博士より分譲)を直接導入し,数多くの上記抗生物質耐性再分化個体を得た。サザン法あるいはPCR法(写真A)により,キチナーゼ遺伝子が抗生物質耐性遺伝子とともにco-transformされた個体を多数見いだした。
- イネ・キチナーゼ遺伝子を導入した形質転換個体(品種マナード)は,葉に葉腐病菌を人工接種すると,病斑の色が同一遺伝子型の非形質転換体に比べて薄く(写真B),また菌糸の侵入による細胞の破壊が少なかった(写真C)。さらに,もみがら培地に培養した菌をポットの植物体に接種した試験では対照やハイグロマイシン耐性遺伝子のみを持つ形質転換体が枯死したのに対し,イネ・キチナーゼ遺伝子を持つ形質転換体は生き残った(写真D)。即ち,イネ・キチナーゼ遺伝子を導入した形質転換トールフェスクは葉腐病菌に対する抵抗性程度が高まった。(写真A~D)
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| 成果の活用面・留意点 |
- 抗生物質耐性遺伝子等のマーカー遺伝子以外の有用遺伝子の導入されたトールフェスクが世界で初めて作出された。耐病性育種のための素材として活用される。
- 組換え体の模擬的環境下での各種病害抵抗性検定並びに稔性の確認が必須。
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| カテゴリ |
育種
寒地
抵抗性
病害抵抗性
品種
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