タイトル |
西南暖地におけるギニアグラス等飼料作物の夏季放牧利用 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
山本嘉人
進藤和政
中西雄二
渡邊伸也
萩野耕司
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発行年度 |
2000 |
要約 |
西南暖地において、春季にギニアグラス(品種:ナツコマキ)等の一年生飼料作物による草地を造成し、夏季に繁殖牛を輪換放牧することにより、高牧養力の夏季放牧草地として活用できる。
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背景・ねらい |
西南暖地の棚田や転作田等においては、冬季イタリアンライグラス放牧草地の普及とともに夏季放牧の要望が高いが、バヒアグラスやシバ等の永年生牧草種を用いた従来の夏季放牧草地では栄養価がやや劣る。そこで、イタリアンライグラスと組み合わせるために、一年生飼料作物ギニアグラス等の草地が、夏季の高牧養力放牧草地として活用できることを明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- ギニアグラス(播種量2kg/10a)、ローズグラス(4kg/10a)、カラードギニアグラス(4kg/10a)、栽培ヒエ(6kg/10a)を5月中下旬に播種し、草高30~40cmで6月下旬から11月上旬まで放牧利用する。繁殖牛1頭あたりの放牧面積は12a、1牧区1.7a程度とし、およそ2週間毎に2~3日滞牧の輪換放牧とする。
- これら草種の延放牧頭数は840~1,200頭・日/haと高く、乾物生産量はギニアグラス、ローズグラス、カラードギニアグラス、栽培ヒエの順で高い(表1)。またギニアグラスのなかではナツコマキが最も高い(表2)。
- 茎数密度はギニアグラスでもっとも高く、なかでもナツコマキの平均茎数密度は1,500~1,700本/m2と高密度を維持し放牧適性が高い(表1、表2)。
- 各草種の粗蛋白質(CP)含量率は20%前後で推移し、平均値は18~22%範囲である(図1)。また可消化養分総量(TDN)含有率は56~73%の範囲内で推移し、各草種の平均値ではギニアグラスが最も高い(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 転作田等の夏季放牧利用草地の草種選定に活用できる。
- ギニアグラスは土壌水分の少ない転作田等で用いる。新品種のナツコマキ種子は平成14年春季から流通予定である。
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図表1 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
カラー
飼料作物
新品種
播種
繁殖性改善
ひえ
品種
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