ギニアグラスのアポミクシス未熟子房に特異的に発現する新規遺伝子

タイトル ギニアグラスのアポミクシス未熟子房に特異的に発現する新規遺伝子
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 秋山仁美
蝦名真澄
高原学
高溝正
秋山征夫
杉田紳一
発行年度 2008
要約 発現遺伝子解析から、アポミクシス関連遺伝子群を選抜した。選抜した遺伝子群の発現を定量PCRによって確認し、アポミクシス未熟子房に特異的に発現する3つの遺伝子を特定した。ギニアグラスのアポミクシス機能解明のための候補遺伝子として利用できる。
キーワード ギニアグラス、イネ科牧草、アポミクシス、未熟子房特異的発現
背景・ねらい 暖地型イネ科牧草のギニアグラスは、種内にアポミクシスと有性生殖の系統をもつため、アポミクシス関連遺伝子単離のためのモデル植物として利用されている。発現遺伝子解析は近年蓄積しているアポミクシス関連ESTを含む遺伝子配列データベースを利用できるため、アポミクシス遺伝子単離を試みる戦略として有効である。そこで、本研究ではマイクロアレイと遺伝子配列情報を用いた機能予測からアポミクシス関連遺伝子群を選抜し、未熟子房での発現を定量PCRによって確認することで、アポミクシス未熟子房で特異的な発現をする遺伝子の探索を行う。
 
成果の内容・特徴
  1. マイクロアレイに供試する遺伝子群はアポミクシス発現が予想される未熟花穂より単離したmRNA由来の10万クローン規模のcDNAライブラリーから選抜した4608クローンである。
  2. アポミクシス雌蕊で発現が認められる遺伝子群をマイクロアレイで検出し、そのうち、196個について、DDBJ(DNA Data Bank of Japan)に登録し、登録番号はDB999756-DB999951である。
  3. DDBJを利用して196個の遺伝子群はEST(遺伝子配列情報、Expressed Sequence Tag)配列から機能推定し、アポミクシス関連候補の遺伝子を選抜できる(表1)。
  4. さらに、定量PCRによる発現解析を行った遺伝子のうち、他の生物での発現が知られていない未知の遺伝子P0165、および、花器官特異的遺伝子P0195は、未熟子房初期に特異的で、かつアポミクシスで有意に高い発現が認められる(図1)。
  5. 機能未知遺伝子P2574の発現量はアポミクシス未熟子房で有意に高い(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 新規遺伝子はアポミクシスにおいて特異性が高く、アポミクシスの機能解明を大きく前進させる。
  2. データベースに公開しており、さらに広範にイネ科未熟胚に特異的な遺伝子研究にも利用できる。
図表1 227225-1.gif
図表2 227225-2.gif
カテゴリ データベース

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