カイコの脱皮ホルモン受容体cDNAのクローニング

タイトル カイコの脱皮ホルモン受容体cDNAのクローニング
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1995~1995
研究担当者 神村学
木内信
発行年度 1995
要約 カイコの脱皮ホルモン受容体のcDNAをクローニングした。塩基配列より予想されるアミノ酸配列は、他種昆虫の脱皮ホルモン受容体のB1アイソフォームに最も相同性が高く、カイコ脱皮ホルモン受容体のであると考えられる。
背景・ねらい 脱皮ホルモン受容体(エクダイソンレセプター:EcR)は、脊椎動物のステロイドホルモン類の受容体と同じ核内レセプタースーパーファミリーに属し、脱皮ホルモン(エクジステロイド)を受容してDNA上のエクダイソン応答配列に結合し、遺伝子発現を制御すると考えられている。EcRは脱皮ホルモンの情報伝達系の最上流にあることから、脱皮、変態の分子機構の解明には本遺伝子の解析が不可欠である。そこで、カイコよりEcR相同体のcDNAをクローニングする。
成果の内容・特徴
  1. ショウジョウバエのEcR(DmEcR)とタバコスズメガのEcR(MsEcR)で保存されている領域をプライマーとしてRT-PCRを行い、両者と高い相同性を持つ配列を得た。この配列をプローブとして、その下流を含むcDNAクローンを得、5'-RACEによって5'末端の構造を決めた。このcDNAは全長2720bpで、543アミノ酸からなるORFを含んでいた。
  2. この配列を既知のEcRの配列と比較したところ、DNA結合領域とリガンド結合領域で特に高い相同性が見られた(図 1)。アイソフォーム特異的領域の比較では、B1アイソフォームとの間にのみ高い相同性が認められることから、このcDNAはカイコにおけるEcRの相同体(BmEcR)でB1アイソフォームに属するものと考えられた。
  3. ノーザン解析により、幼虫-蛹変態時にBmEcRのmRNAが組織特異的に発現することが示された。また、5齢期間中の翅原基では、BmEcRは血中エクジステロイド量の増加に先立って発現することが明らかとなった(図 2)。
成果の活用面・留意点 エクダイソンレセプターはエクジステロイドの情報伝達系の最上流の因子と考えられることから、今後、カイコにおけるエクジステロイドの作用機作解明が分子レベルで進むことが期待される。
図表1 227299-1.jpg
図表2 227299-2.jpg
カテゴリ カイコ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる