茶種子サポニン類の殺ダニ及び抗菌効果

タイトル 茶種子サポニン類の殺ダニ及び抗菌効果
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 河合 章
向井俊博
東 敬子
堀江秀樹
木幡勝則
発行年度 1997
要約  茶種子サポニン類は、ハダニ類、特にナミハダニに対し殺ダニ効果を示した。また、酵母に対して抗菌効果を示し、特にHansenula anomalaに対して最も高い効果を示した。
キーワード 茶種子サポニン類、ナミハダニ、殺ダニ効果、抗菌効果、Hansenula anomala野菜・茶業試験場 茶利用加工部 品質化学研究室
背景・ねらい  近年の消費者の健康志向を背景に、茶の機能性に対する関心が一段と増している中で、茶に含まれる高機能性成分の系統的な検索、評価、利用技術の開発を行うことは、茶の付加価値の向上、強いては茶の消費拡大効果を図る上で重要である。
 そこで、茶種子の付加価値の向上、新需要創出を想定した、茶種子サポニンの新たな生理活性の検索を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 殺ダニ効果
     茶種子サポニン類は、ハダニ類の卵に対して、10mg/mlでふ化率の低下をもたらす(表1)。また、ナミハダニの幼虫に対して殺虫効果があり、10mg/ml散布では成虫まで生育する個体はほとんど見られない(図1)。ナミハダニの成虫に処理した場合にも産卵抑制効果が認められ、効果は高濃度ほど高い(図2)。  これらの結果から、茶種子サポニン類は、ハダニ類に対し密度抑制効果があり、産卵抑制と殺幼虫効果がその主体である。 
  2. 抗菌効果
     茶種子サポニン類は、酵母に対し抗菌効果を示し、特にHansenula anomalaに対して顕著な効果が認められ、最小生育阻止濃度は、0.08~1.20mg/mlである(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 殺ダニ効果が顕著に認められるのは、10mg/ml濃度の時であり、コストの面からこの濃度では実用性に問題が残る。他の殺ダニ剤との併用等が考えられる。
  2. 抗菌効果に基づく、一般食品と比較して糖濃度の高いジャムや塩濃度の高い漬け物等の保存剤としての利用が考えられる。
図表1 227556-1.gif
図表2 227556-2.gif
図表3 227556-3.gif
図表4 227556-4.gif
カテゴリ 加工 機能性 機能性成分 コスト 消費拡大

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