遺伝子組換えによるトレニアの花の寿命の延長(研究)

タイトル 遺伝子組換えによるトレニアの花の寿命の延長(研究)
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 間竜太郎
吉田隆延(現 東北農試)
後藤理恵(流通技術研)
市村一雄(流通技術研)
柴田道夫
発行年度 1998
要約 トレニアに形質転換法によりエチレン生合成系のACC酸化酵素遺伝子を導入することで、エチレン生成を抑制し花の寿命が延長した。本成果は他のエチレン感受性花きの花持ち性向上のための育種モデルとなりうる。
キーワード トレニア、形質転換法、エチレン、ACC酸化酵素遺伝子性、花の寿命野菜・茶業試験場 花き部 育種法研究室
背景・ねらい  花きにおいて観賞期間の長さは重要な形質の一つであり、花の寿命の延長は大きな育種目標である。また、トレニアを含め多くの花きでは植物ホルモンの一種であるエチレンによって花の寿命が著しく低下することが知られている。そこで、トレニアを材料とし、遺伝子組換え技術を用いてエチレン生成を抑制することにより花の寿命の延長を試みる。
成果の内容・特徴
  1. トレニアの花から単離したACC酸化酵素遺伝子の断片は、アミノ酸レベルで比較すると、トマト、ペラルゴニウム、シラカバ及びリョクトウで単離された同遺伝子と約80%の相同性があった(データ省略)。
  2. 単離したACC酸化酵素遺伝子断片を導入した植物のうち、センス遺伝子を導入した8個体とアンチセンス遺伝子を導入した3個体が野生型植物よりも有意に長い花の寿命を示した(表1)。野生型植物に比べて花の寿命が長くなった遺伝子組換え体は、 結果として同時に咲いている1つの花穂あたりの花の数が多くなる(図1)。
  3. 花の寿命が延長した個体の後代植物のうち、導入遺伝子を有するものは花の寿命が延長した。
  4. 組換えトレニアにおいては、ACC酸化酵素遺伝子の mRNA量が低下し(図2)、その結果エチレン生成量が低下することで花の寿命が延長する。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、他のエチレン感受性花きの花持ち性向上のための育種モデルとなりうる。
  2. 本成果における花の寿命の延長は閉鎖系温室内でのデータである。
図表1 227588-1.gif
図表2 227588-2.jpg
図表3 227588-3.jpg
カテゴリ 育種 トマト トレニア ペラルゴニウム

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