確率Lシステムを用いたキュウリの生長モデル

タイトル 確率Lシステムを用いたキュウリの生長モデル
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 高市益行
島地英夫
東出忠桐
浜本 浩
発行年度 2000
要約 〔要約〕確率Lシステムの手法を用い、キュウリの葉や雌花などの器官構成を表現できる生長モデルを作成した。確率パラメータにより、雌花及び側枝の多少や連続性等、品種の違いを表現でき、品種や整枝法等のコンピュータシミュレーションが可能である。
キーワード Lシステム、キュウリ、生長モデル、確率パラメータ、シミュレーション野菜・茶業試験場 施設生産部 資材利用研究室
背景・ねらい キュウリ栽培において、品種特性や整枝方法は、葉や果実などの空間的な配置を決めるものであり、収量、品質、労力・作業性に大きく関係する。品種、整枝法などの検討においては葉や花などの位置および数が重要であるが、要素が多く複雑に絡んでいるため、試行錯誤的な試験で対応するには限界がある。これを解決するために、葉や花などの植物器官の構成を表現できる生長モデルを作成し、コンピュータ上でのシミュレーションを可能にする。
成果の内容・特徴
  1. 本生長モデルでは、式1のように葉や花など器官を文字列と置き、書き換え規則にもとづいて、図1のように文字列を置換していくLシステムの手法を用いている。
  2. 図2のように文字列の記述によって、キュウリの葉や雌花などの器官構成を表現している。
  3. 雌花の着生、側枝の発生、葉の展開については、書き換え規則を確率的に選択、適用する(式1、図2)。この確率パラメータの与え方により、雌花や側枝の多少や連続性等、品種の違いを表現することができる。
  4. pi, paおよび pfの確率パラメータは栽培試験の生育データなどから経験的に求める。例えば、葉の増加を示す曲線を y = f(x) とすると、葉の展開確率pi は、f'(x) とすることができる。側枝発生の確率paおよび雌花の着生確率pfについては、葉数、側枝発生数、雌花着生数等の経時的な生育データから求める。
  5. 図3は、整枝を行わない場合の生育データを元に経験的に得た確率パラメータを用いて、異なる品種および整枝法についてのシミュレーションを行った結果である。シミュレーションを用いることにより、品種や整枝法の生育への影響を検討できるとともに、摘心回数等の作業量への影響も検討することができる。
成果の活用面・留意点
  1. モデルを用いたシミュレーションは品種や整枝法等の栽培計画の検討に有効である
  2. 本手法によるモデル化はキュウリ以外の果菜類や花き等でも利用可能である。
図表1 227662-1.gif
図表2 227662-2.gif
図表3 227662-3.jpg
図表4 227662-4.gif
カテゴリ きゅうり 品種

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