集落を単位とした土地資源情報データーベースの構築方

タイトル 集落を単位とした土地資源情報データーベースの構築方
担当機関 農業工学研究所
研究期間 1998~2000
研究担当者 塩野隆弘
奥島修二
小倉力(現国際農研)上村健一郎(現企画科)
早瀬吉雄
福本昌人
発行年度 2000
要約 阿武隈山地の農村地域を対象として、集落を最小単位とする土地情報や農業動向に関するデータを持つ土地資源情報データベースを地理情報システム(GIS)上に構築する手法を開発した。
背景・ねらい 中山間地域では、過疎化、高齢化が進行し、これに伴い農業生産の縮小や生産の場である農村空間が縮小するなど、土地資源の利用に変化が生じている。このため、中山間地域における土地資源利用の実態を評価してその重点化を図ることが肝要である。ここでは、土地資源利用の実態が、都市や中心集落との距離等の立地条件と気象、地形、土壌等の自然・立地条件によって異なることに着目し、土地資源の構成要素で大きな比重を占める地形条件について、GISを用いた土地資源情報データベースを構築する手法と開発する。
成果の内容・特徴
  1. 調査対象地域:山地内全域にわたって農業集落が分布している阿武隈山地の福島県内をモデル地区とした。対象地域は、阿武隈山地の中通りと浜通りに狭まれる南北120km、東西35kmの32市区町村(3市、22町村、7村)に含まれる976集落である(図1)
  2. 土地資源情報データベース:データベース構築に用いたデータは、数値地図50mメッシュ標高、国土数値情報(KS-202:1/10細分区画土地利用データ、約100mメッシュ、KS-118:谷密度、約2.000mメッシュ)、気象庁観測平年値(気温、降水量、積雪、約1.000mメッシュ)、1995年農業集落カード及び集落の境界情報を持つshape形式の集落界である。GIS上でこれらデータをオーバーレイし、集落内の地目ごとに面積、標高、傾斜等を算出できる土地資源情報データベースを構築をした(表1)。データベース上の各メッシュデータは、集落の大きさより十分小さなサイズのグリッドに変換されている。
     標高、傾斜は、数値地図メッシュ標高を用いて10mグリッドデータを作成した。土地利用データ、谷密度データも同様にして10mグリッドデータとした。気象データは、補間を行った後、10mグリッドデータとした。
     グリッド化された土地利用データ及びベクトルデータである集落界を上記データにオーバーレイさせることで、集落内の地目別の面積、傾斜及び集落を代表する谷密度や気象データの算出を行った。
  3. 土地資源情報データベースを利用した解析例
    土地資源の立地分析:水田、畑、桑園グリッドに位置する傾斜グリッドを3区分(傾斜0~8°、8~15°、15°以上)し、グリッドが含まれる集落において割合が卓越する傾斜区分とその集落の平均標高との関係を調べた(図2、3)。集落内の水田、畑地は、緩傾斜に分布し、桑園は、条件の悪い急傾斜地に分布していることが推察される。
成果の活用面・留意点 50mメッシュ標高から傾斜を算出しており、ここで使われている勾配は、圃場そのものの傾斜ではなく、計算上算出された値を代替している点に留意する必要がある。
図表1 227839-1.gif
図表2 227839-2.gif
図表3 227839-3.gif
カテゴリ 傾斜地 水田 中山間地域 データベース

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる