ラビリンス堰のユニット化

タイトル ラビリンス堰のユニット化
担当機関 農業工学研究所
研究期間 2000~2000
研究担当者 髙木強治
加藤敬
小林宏康
常住直人(現
中西憲雄
北陸農試)
民間研究組合
浪平篤
発行年度 2000
要約 農業用貯水池の洪水吐(洪水時の放流施設)用にラビリンス堰ユニットを開発した。本ユニットは従来型の直線堰に比べ、貯水池の貯水効率、安全性の向上と低コスト化が可能であり、全国に多数存在するため池(小規模ダム)の改修時に有効である。
背景・ねらい 農業用ため池は主水源又は補助水源として重要であるが、一般にその築造年次が古く、改修が必要なため池は約2万個もある。このため、改修コストの縮減は重要であり、低コストでかつ高い施工精度が可能なように余水吐(洪水吐)用ラビリンス堰のユニット化を図った。
成果の内容・特徴
  1. 図1に示すようなラビリンス堰をため池の洪水吐に適用すると、現在用いられている直線堰に比較して次のようなメリットを発揮する。
    1) ラビリンス堰は余水吐の放流能力を高められる。これにより洪水時の貯水位の異常上昇を抑えられ、ため池堤体の安全性を高められる。また、同一の計画放流量では堰幅を縮小でき、余水吐の改修コストを縮減できる。
    2) 放流能力が高いので、所定の計画最大洪水流量を小さい水深で放流できる。その結果、ため池の最高水位を抑えられ、ため池堤高を低減でき、コストを縮減できる。
    3) 洪水放流水深が小さくなるので、改修ため池の計画最高水位を従来のままとした場合、ため池の常時貯水位を高くできる。従って、改修ため池の貯水量を増やせる。
  2. ラビリンス堰を表1に示す3型式にユニット化・規格化した。これにより工場生産が可能となり、現場施工の場合と比べ、工期の短縮によるコスト縮減と高精度の施工が期待できる。ユニット化による越流水深減少の効果を表2に示す。また、ため池洪水吐に適用した事例を図2に示す。
  3. 本ユニットは大規模ダムでも洪水放流水深が1m以下であれば適用可能である。
  4. 河川に設置する可動堰や水路内の水位調節ゲート上に設置した場合には、直線堰に比較して、流量変化に対応する上流水位の変化を小さくでき、維持管理コスト・労力の低減につながる。
成果の活用面・留意点 ラビリンス堰の型式は、洪水吐の規模等現地条件から最低コストとなるように表1から選択する。また、更に低コスト化の効果を発揮できるようにするには、量産品化を図ることが必要である。
図表1 227853-1.gif
図表2 227853-2.gif
図表3 227853-3.gif
図表4 227853-4.gif
カテゴリ コスト 水位調節 低コスト

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