25.LEDの局部補光による園芸作物の形態制御

タイトル 25.LEDの局部補光による園芸作物の形態制御
研究期間 2000~2002
研究担当者 佐瀬勘紀
小綿寿志
森山英樹
石井雅久
福田直也
発行年度 2002
要約 ゼラニウムの花柄上部に、赤色または青色のLED(発光ダイオード)を用いて補光すると、花柄長の伸長を抑制することができる。また、赤色LED下で発生する園芸作物の葉の巻き込み現象は、青色LEDによる補光で抑制できる。農業工学研究所・農地整備部・農業施設研究室
背景・ねらい 小型の光源であるLED(発光ダイオード)は、価格的にも植物栽培に利用できる段階に達しつつある。超高輝度のものも開発され、従来は照射できる光質が赤色などに限られていたが、現在はほとんどの単色光がそろっている。このようなLEDを用いて特定の光質の光を特定部位に補光することにより、作物の形態制御や品質向上に活用できる可能性が高い。そこで、このようなLEDを利用して野菜や花きの形態制御のための補光方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. ゼラニウムの花柄上部にLEDを用いて補光すると、赤色LEDと青色LEDの場合、花柄長の伸長は対照区に比較して約14%抑制される(図1)。一方、遠赤色LEDの場合、花柄長の伸長は20%近く促進される。

  2. ゼラニウム、サラダナ、ホウレンソウ、チンゲンサイなど(本葉が5~8枚の時点で供試)は、赤色LEDのみで栽培した場合、背軸側への葉の巻き込み(外巻き)が発生し、正常でない形態となる(図2)。青色LEDを用いて特定の葉に部分的な補光を行うと、その効果はその葉のみに表れ、照射方向と光強度に依存する。すなわち、葉の向軸面に照射した場合に有効であり、また、光強度が高いほど葉の巻き込みは抑制される。このような青色光に対する葉の展開の依存性は、メタルハライドランプで栽培した場合についても見られる。

  3. 葉の組織観察によれば、青色LEDによる向軸面への補光の場合、葉の背軸側の表皮細胞の伸長は、赤色LEDのみで栽培した場合に比較して15~20%促進されるが、向軸側の伸長には差がない。青色光による補光が表皮細胞の伸長に関与し、葉の形態を制御している可能性がある。

成果の活用面・留意点 冬季に日射が不足する地域において、徒長などの形態的改善や苗の健苗化に応用が可能である。実用的装置の開発が必要である。

カテゴリ ゼラニウム チンゲンサイ ほうれんそう

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